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[特許/シンガポール、カンボジア]カンボジアでシンガポール特許の再登録が可能に ~シンガポール・カンボジア間の協力体制が具体化~

2015年1月にシンガポール知的財産局(Intellectual Property Office of Singapore;IPOS)とカンボジア工業手工芸省(Ministry of Industry & Handicraft;MIH)との間で、IPOSに出願された特許についてカンボジアで認証する制度等の協力関係についての覚書が交わされていた。その協力関係の詳細が2015年10月9日付けにてIPOSのウェブサイトで公表され、今後は、従前どおりのカンボジア特許出願に加えて、下記の2つのオプションによっても、カンボジア特許の取得が可能となった。

■シンガポール特許をMIHで再登録 ~あらかじめカンボジアへ特許出願をすることは不要~
シンガポールの特許権者は、所有する特許権の存続期間中であればいつでも、カンボジアに特許の再登録申請を提出することができる。この制度では、シンガポールで有効な全ての特許が対象となる点が特徴的である。

なお、再登録に係る庁費用はUS$210である。

■IPOS発行の調査及び審査報告書等をMIHに提出 ~あらかじめカンボジアへ特許出願をすることが必要~
カンボジアに関連特許出願を有するシンガポールの特許出願人は、(i)IPOSにより発行された最終の調査及び審査報告書および(ii)シンガポール特許出願の最終的な明細書のコピーをMIHに送付するようにIPOSに請求し、当該カンボジア出願の許可を求めることができる。

このオプションは、実質的には、カンボジアの登録官からの求めに応じて出願人が関連出願の審査結果等を提出する従前通りの場合や、既存のASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラムを利用する場合と実質的には同様の制度であると見受けられるが、例えば、あらかじめシンガポール及びカンボジアの双方に出願をすることが決まっているような場合に、この制度の利用を一考する価値があると言えるだろう。

なお、世界知的所有権機関(WIPO)提供の統計によれば、カンボジアへの特許出願は2013年で75件と非常に少ないところ、本施策が今後の出願件数に及ぼす影響が注目される。

【出典】
シンガポール知的財産局「Patent Cooperation with Cambodia

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