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[全般/ミャンマー]ミャンマーにおける知的財産制度整備の現状 ~特許法、意匠法及び商標法の各法案の概要~

ミャンマーは1995年1月にWTOに加盟しており、TRIPS協定の履行義務を負っているが、2016年2月現在、知的財産権関連の法律は、実質的には著作権法が存在するのみである。商標に関しては、登記法により保護され得るものの、登録に関する手続及び登録の効果を定めた法律は存在していない。

2015年11月の総選挙で国民民主連盟(NLD)が勝利したことを受けて、ミャンマーでは2016年3月30日に新政権が発足したところであるが、総選挙に先立つ2015年6月に知的財産四法案(特許法、意匠法、商標法、著作権法)が内閣から議会に提出され、法案委員会にて検討がなされている。新政権による取り扱いは現時点で不明であるが、当該四法案のうち、(1)特許法、(2)意匠法及び(3)商標法の各法案の概要は以下の通りとなっている。

1. 定義のポイント
(1)発明=物又は方法の創作  実用新案=物品又は物品の部品の形状又は形態
(2)意匠=線、輪郭、色彩、形状、表面若しくは模様の外観等
(3)商標=名前、文字、数字、形状、色の組み合わせを含む視覚し得る標識等

2. 存続期間
(1)特許権=出願から20年  実用新案権=出願から10年
(2)意匠権=出願から5年、5年間ずつの延長により最大15年
(3)商標権=出願から10年で、10年毎に10年間の延長が可能

3. 審査
(1)特許出願=出願人からの審査請求(36か月以内)又は第三者からの異議申立により実体審査を実施
※実用新案出願については、情報なし
(2)意匠出願=方式審査後に公開(公開後に異議申立可)、異議申立がない場合には登録官により登録
(3)商標出願=絶対的拒絶理由(識別性の欠如、公序良俗違反 等)の審査終了後に公開(公開後に異議申立可)、異議申立が無い場合には登録官により登録
※施行前に登記法の下で登録された標章の所有者も、当該標章に関する権利を享受するためには商標出願が必要

【出典】
独立行政法人国際協力機構(JICA)「ミャンマー知的財産制度の整備状況について ~2016年2月 開催ASEAN知的財産セミナー配付資料~」
独立行政法人国際協力機構(JICA)等「ミャンマー知的財産庁設立支援調査ファイナルレポート

【参考】
独立行政法人国際協力機構(JICA)「海外の現地情報ミャンマーにおける知財制度の現状と法案の概要(PDF)」※2018年3月29日に作成された資料であるため、記事本文の公表時期以降(2016年4月以降)に法案の内容が変更されている点がある

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知財トピックス(その他各国情報)[商標/ASEAN]アセアン加盟国における商標制度の近況 2017-12-05

季刊創英ヴォイス vol. 86 ASEAN HOT TOPICS:ASEANオフィス 業務/活動情報【ミャンマー】(PDF) 2019-08-01 ※商標法を含むミャンマー知財四法の施行に向けた準備状況等について

***更新情報(2018年5月7日)***
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***更新情報(2019年8月10日)***
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