お気楽でマイペースな5歳の幼稚園児「クレヨンしんちゃん」。日本でも大人気の「クレヨンしんちゃん」だが、出版元の双葉社がキャラクター製品を上海などで販売したところ、売り場から商品が撤去されてしまった。

驚いたことに、中国語名の「蝋筆小新(ラービィ シャオシン)」(クレヨンしんちゃん)が既に中国で商標登録されていたのである。本物がニセモノからニセモノ扱いされるという理不尽な事態。デットコピーが出回っている中国とはいえ、本物が撤去されるとは、笑えない話である。

現在、双葉社は中国企業の商標登録は無効であるとして、当局に対し商標登録取消審判を請求している。

このように中国では、海外の人気ブランドや日本企業の商標が本来の所有者に先駆けて登録されてしまうケースが相次いでいる。しかし、商標登録の取消には時間も費用も労力も要するため、泣き寝入りしてしまう例が少なくないという。中国はWTOに加盟して3年以上経過するが、知的財産権についての管理が完全であるとはいえない。日本は中国政府に対してキャラクター商品が知らない間に悪用されている事態を指摘し、その改善を要求してもよいのではないだろうか。

今回の事件で得られる教訓はいろいろあるが、まずは中国でも早期に商標登録を済ませておくべきだろう。知的財産権でビジネスをするのであれば、海外での権利取得も怠ってはならない。そしてコピー商品の出現には常に目を光らせ、行政と司法の両面からコピーを断固許さないという強固な意志を示すべきだと、私は考える。

関連サイト:

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/colCh.cfm?i=t_baba62

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