去る11月29日に中国国家知的財産局第37号局令(公衆の健康のための特許強制実施の許可弁法について;以下「弁法」)が公布された。本「弁法」は2006年1月1日に施行される。

本「弁法」は全部で13条あり、第3条において「中国で感染病の出現・流行の予防またはコントロール、および治療行為」、並びに「中国で感染病の出現・流行によって公衆の健康危機をもたらすこと」は、それぞれ特許法の第49条(強制実施)で規定する「公衆の利益のため」の行為、および「国家緊急事態」であることを明確にした。鳥インフルエンザの人への感染拡大の懸念や、世界的にインフルエンザ治療薬の備蓄量の不足が、その背景にあったことを伺わせる。

また、本「弁法」の第8条において、感染病治療薬の輸入についていわゆる「並行輸入」に該当する場合には強制実施の申請を必要としないと規定している。すなわち、感染病治療薬の並行輸入は中国の特許権の侵害には該当しない(消尽)ことを本条によって明確にした。

特許法(本則)によると、強制実施の場合でも特許権者に実施料を支払う必要があるが、強制実施の許可決定がされた場合は、その発効が実施料の確定および支払いを条件としない。実施料について当事者間の協議が成立しない場合は、知的財産局の裁決を求めることができる。また、強制実施の決定に対して不服がある場合、行政不服異議申立てを経て、裁判を提起することができる。

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