重点8分野の特許出願状況について、5月31日に速報をお知らせしたが、詳細が発表されたので、情報を追加して再掲載するとともに、簡単に傾向を調査した。

先日掲載したように、重点8分野とは、 ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・ 材料、エネルギー、ものづくり技術(製造技術)、社会基盤、 フロンティアであり、いずれも重点分野として効果的・ 効率的な研究開発と研究成果の権利化を促進し、 戦略的な知的資産確保を図ることが望まれており、第三期科学技術基本計画において、 研究開発を推進すべき分野として指定されているものである。

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toukei/1402-027.htm

この統計によると、出願件数(公開・公表件数)は、情報通信関連の件数が他分野の件数と比較して多く、ナノテクノロジー・材料関連、ライフサイエンス関連の件数がこれに次いでいる。また、件数の伸び率でみると、エネルギー関連が前年比11%増で最も多く、社会基盤関連がこれに次いでいる。その他は概ね横ばいで推移している。

また、登録件数は、情報通信関連の登録件数が他分野の件数と比較して多い状況であり、ナノテクノロジー・材料関連、ライフサイエンス関連の件数がこれに次いでいる。件数の伸び率でみると、環境関連が前年比22%増で最も多く、情報通信関連、ものづくり技術関連、社会基盤関連がこれに次いでいる。その他は概ね横ばいで推移している。

ここで、直接統計には記載されていないが、2005年において、各分野の登録になる割合を計算すると以下のようになる。

出願件数/登録件数 登録率
ライフサイエンス 28,793/ 5,982 20. 8%
情報通信 61,507/ 15,037 24. 4%
環境 10,136/ 2,859 28. 2%
ナノテクノロジー・材料 38,472/ 7,135 18. 5%
エネルギー 8,732/ 1,423 16. 3%
ものづくり技術 18,295/ 3,917 21. 4%
社会基盤 9,171/ 1,969 21. 5%
フロンティア 402/ 169 42. 0%

計算した分野別の登録率を見てみると、出願件数が6万件以上と他分野を圧して多い情報通信分野は、実務経験上、比較的に審査の基準が厳しい感があったが、意外なことに、同分野の登録率は、フロンティア、環境の分野に次いで3番目に多い24.4%であり、予想外に高い登録率であることが判る。

一方、ナノテクノロジー・材料、エネルギーの分野は、登録率が10%後半であり、出願件数の増加に比べると、予想よりも低い値であるとの感想を持った。

いずれにしても、上記8分野が注目すべき分野であることは確かであり、今後の経過を見守りたい。

以上

参照: 同HP 2006/05/31 大阪 弘一 「重点8分野の特許出願状況」

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。