「知的財産推進計画2007」(知的財産戦略本部)では、競争力強化の観点から、「ライフサイエンス」「情報通信」「環境」「ナノテクノロジー・材料」の4分野について、分野別の知的財産戦略を策定することが規定されております。この策定に関わり、プロジェクトチームより、各分野の課題及び対応方策等の調査結果が公表されています。

「ナノテクノロジー・材料」分野の報告書では、基礎研究開発の成果が製品化に結びつくまでに長期間を有するため、基本特許を確保することは重要であるものの、実用化の段階で当該基本特許の存続期間が満了している可能性があるため、実用化の芽が出たタイミングを捉えて、応用・用途技術、製造技術に関する権利を丹念に取得する戦略が重要である等の報告がなされています。

例えば、「ナノテクノロジー・材料」分野における基本特許としては、「新規な物質」の発明に係る特許が挙げられます。このような基本特許により、十分に広い権利範囲を取得することができます。しかしながら、通常、広い技術的範囲を包含する発明には、公知技術、先行技術が発見される確立が高く、拒絶・無効となる可能性が高い傾向にあります。そこで、当該特許出願後に、実用化に向けた開発段階において完成した応用品や製造プロセス、用途の発明を出願することが有効です。これによって、基幹技術に関わる強固な特許群を構築することができ、基本特許を取得できない場合や、基本特許の存続期間満了後でも、競合他社の実施を排除できる可能性が高くなります。

下記サイトでは、分野ごとに取りまとめられた報告書の内容等に基づき、「パテントフロンティアの開拓に向けて(案)」が公表されています。ご興味のある方は、ご一読下さい。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kyousou/dai3/3gijisidai.html

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※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。