ご存知の方の多いかと思いますが、特許庁のホームページには、単なる実務上必須な情報だけでなく、アカデミックで興味深い調査報告書がたくさん公開されています。知財業界の有識者が集まった、各種の研究成果が一般に公開されており、非常に勉強になります。

2008年4月に公開された「特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書について」(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/chousa/zaisanken.htm)に、「新しいタイプの商標に関する調査研究」という興味深い報告書がありますのでご紹介いたします。

現在では、米国・ヨーロッパを中心に、新しいタイプの商標(「動く画像(アニメーション)」、「ホログラム」、「色彩のみ」、「音」、「香り」といったもの)が「商標」として保護されるようになってきております。弊所でも、「音」、「動く画像」「におい」といった商標の出願実績がありますが、各国ごとに微妙に異なる出願要件を押さえていくのが少々たいへんでした。

ところで、我が国においては、商標の定義は「文字、図形、記号又はそれらの結合、または色彩との結合」とされている関係で、このような新しいタイプ商標は、商標法上の商標とは認められておりません。この報告書では、国際動向を踏まえた、今後の我が国における「新しい商標の保護のあり方」を研究した成果が報告されております。例えば、新しい商標について、「識別性の考え方」や「類否判断のあり方」といった実務的な問題についても、具体的な研究がなされており、各国の制度を知る上でも非常に勉強になります。この報告書は、PDFでダウンロードすることが可能となっています。かなりボリュームがありますが、一読しますと、商標に対する興味がさらに湧いてくるかと思います。

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。