早期審査・早期審理の運用が見直されています

特許庁によれば、商標登録出願の審査順番待ち期間は、平成19年度末で6.9ヶ月(暫定値)とされていますが、とりわけ役務関係の審査は、昨年4月に小売等役務が導入されたこともあり、大幅に遅れています(約11~12ヶ月)。

出願審査・審判審理を早める方法としては、「早期審査・早期審理」の制度が存在します。それらは、以下の2つの要件、即ち(1)出願人側の必要性、(2)第三者との関係での必要性、の双方を満たすことで、早期の審査・審理を可能とするものです。

<早期審査・早期審理制度の要件>

(1)出願人自身又はライセンシー(出願人から出願商標について使用許諾を受けた者)が、出願商標を指定商品若しくは指定役務(一部の商品若しくは役務を含む。)に使用しているか又は使用の準備を相当程度進めている出願であること。

(2)「権利化について緊急性を要する出願」であること(以下のいずれかに該当すること)。

a)第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用しているか又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合

b)出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合

c)出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合

d)出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合

e)その他、第三者との関係において権利化について緊急性があると認められる場合

(詳細については、ガイドラインを参照下さい)

今回は、上記に加え、「出願人等がその出願に係る商標を既に使用しているか又は使用の準備を相当程度進めている商品又は役務のみを指定している出願」であれば、早期審査・早期審理の対象となることが検討されています。即ち、第三者との関係は要件とはならなくなり、より柔軟に当該制度を活用することが出来るようになります。

もっとも、現在では、その運用の改定について検討されている段階ですので、その帰結について、見守る必要があります。

<参照>

特許庁「早期審査・早期審理の運用の見直し」パブリックコメント募集のお知らせ

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/puresu/press_rekisi_soukisinsa.htm

同「商標登録出願に関する審査着手予定等」

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/cyakusyu.htm

同「早期審査・早期審理ガイドライン」

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/souki/shkouhou.htm

以上

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。