【原告「株式会社角川メディアマネジメント」が、登録商標「ボーイズウォーカー/BOYS WALKER」他4件の登録取消を求めていた控訴審事件で、知的財産高等裁判所は、特許庁の判断を維持(原告の請求を棄却)しました(平成20年(行ケ)第10363号他)】

原告は、「東京ウォーカー/TokyoWalker」をはじめとして、「都市・地名+ウォーカー/Walker」の組み合わせからなる登録商標を有し、その題号からなる雑誌を多数刊行しており、また、「都市・地名」以外にも「情報を示す語+ウォーカー/Walker」(以下「情報ウォーカー」という)からなるフリーペーパー等(例えば、「トラベルウォーカー/Travelウォーカー」「無印良品Walker」等)も発行していました。

原告は、「ボーイズウォーカー/BOYS WALKER」「ミュージックウォーカー/Music Walker」「ショッピングウォーカー/Shopping Walker」「ranking walker/ランキングウォーカー」「girls walker/ガールズウォーカー」等の登録商標を有する被告に対し、前記5商標の商標登録無効審判を請求・控訴しましたが、特許庁・知的財産高等裁判所のいずれにおいても請求を退けられました。

裁判所は、原告が発行する「都市・地名+ウォーカー/Walker」の雑誌に関しては、周知著名性を認めた一方で、原告が発行する「情報ウォーカー」からなる多数のフリーペーパー等については、情報の内容、需要者層、対象地域、発行回数等がそれぞれ異なるため、必ずしも統一的に理解されるわけではなく、取引者又は需要者が、原告若しくはその関連会社がその発行元であると考えたとは認めませんでした。

また、原告が発行する「情報ウォーカー」の発行時期は、被告商標の出願後のものが少なくないこと、原告とは無関係の第三者が「情報ウォーカー」の商標を出願登録していること、原告とは無関係の第三者が出版する「情報ウォーカー」の書籍等が流通していること等から、「情報ウォーカー」が、前記5商標の出願時及び登録時点に、原告と関連するものであると取引者・需要者が認識することがあったとは認められないと判断しました。

そして、原告商標と被告商標とは非類似の商標であると認定するとともに、需要者が出所を混同するおそれもないと判断し、原告の請求を棄却しました。

裁判所が指摘するとおり、「情報ウォーカー」の商標は多数出願・登録されており、原告とは無関係の第三者がかかる語を用いて書籍等を流通させています。原告のブランディングや商標管理によっては、結論が変わった可能性もあり、その重要性を再認識させられる裁判例です。

以上

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