【本件は,原告が,被告の有する登録商標「こくうま」(登録番号第5020651号)につき無効審判請求をしたところ,特許庁が請求不成立の審決(登録を維持)をしたことから,その取消しを求めた事案です。(平成21年(行ケ)第10023号)】

裁判所は、本件商標の登録査定日(平成18年11月30日)以前に以下の事実があったことを認定しました。

  1. 「こくうま」の表記は,ラーメン,カレー,コーヒー,惣菜の素などに用いられており,本件商標の登録査定日の後も変わりがないこと
  2. 一方,「こくうま」の表記がキムチに用いられた例が被告商品以外に存在したとは認められないこと
  3. 原告は,「こく旨」,「KOKU UMA」の表記を含む商品名のキムチを販売していること
  4. キムチについて,「コクうま」と表現した新聞記事があるが,それが被告の製品を指しているとまで認めることはできないこと
  5. キムチの味を形容する言葉として、「コク」という言葉が用いられているものが存在するが、「こくうま」との表記が用いられているものは存在しないこと

そして、需要者・取引者には,「こくがあってうまい」というキムチの品質それ自体を表示すると認識されるとまでいうことはできないから,本件商標が,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標(商標法3条1項3号)に当たるとは認められないと判断しました。

個人的な話で恐縮ですが、私は被告商品をよく買っています。その時は、まさか本件商標が登録商標であるとは、露ほど思っていませんでした。

裁判所が特許庁の判断を維持した大きなポイントは、被告以外の者が商品「キムチ」に「こくうま」の語を使用していなかったことだと思われます。

もっとも、確かに「こくうま」という語は既成語ではありませんが、1.で認定されているとおり、キムチ以外の食品では「こくうま」の語が用いられておりますし、「こくうま」の語そのものからも「コクがあって旨い」との意味合いが容易に看取されます。従って、原告の主張にも頷く部分は多いのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?

以上

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。