登録商標「招福巻」を有する商標権者が、商品「巻き寿司」に「十二単の招福巻」の名称を使用する流通業者に対して、その使用の差し止めと損害賠償を求めた事件の控訴審で、大阪高等裁判所は、第一審判決を取り消し、原告(商標権者)の請求を棄却する判決を出しました。

もうすぐ節分を迎えますが、みなさまのご家庭では、節分の日に巻き寿司を食べる習慣はあるでしょうか?最近では、多くの小売店で販売されていることもあり、この風習は比較的広まってきたよう思われます。

本件は、節分の日に販売される巻き寿司の名称の使用を巡って争われた事件の控訴審事件です。もっとも、2010年1月28日現在、裁判所のホームページでは、未だ判決文が公開されておりませんので、各種メディアによる報道以外の内容についてはわかりません。従って、その詳細については別の機会にご紹介したいと思いますが、大阪高等裁判所は、以下について指摘し、「招福巻」の語が普通名称であると認定したようです。

・ 「招福巻」の語が、多くの小売店等で用いられ、特定業者の商標とは認識されていなかったこと

・ 「招福」の語が広辞苑を含む複数の辞書に掲載されていること

第一審の大阪地裁(平成19年(ワ)第7660号)は、「招福巻」の語が比較的多くの小売店等で用いられていたことは認めながらも、

・ 節分用の巻き寿司を指す名称として、「招福巻」以外の名称を用いている例も少なくないこと

・ 広辞苑第6版には、「招福」の語は収録されているものの、「招福巻」の語が収録されていないのに対して、「恵方巻」の語は収録されていること

・ 原告が、「招福巻」の語を使用する他者に警告を行い、今後「招福巻」の語を使用しないとする確約を得るなど、商標権を守るための一定の対応をしていること

等を指摘し、「招福巻」が普通名称になったとは認められないと認定していましたので、 控訴審において、控訴人がどのような主張を行ったのかについては、大変興味があるところです。

ちなみに、今年の恵方は、「西南西」だそうです。

本件につきましては、下記報道記事を参考に致しました。

・時事通信社

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201001/2010012201003

以上

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