進歩性の判断は、引用発明に基づいて当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことの「論理づけ」ができるか否かによって行われます。

審査基準には、進歩性を否定する方向に働く以下の事項が挙げられています。

(1)最適材料の選択・設計変更、単なる寄せ集め

(2)動機づけとなり得るもの

①技術分野の関連性

②課題の共通性

③作用、機能の共通性

④引用発明の内容中の示唆

ここでは、「②課題の共通性」に着目し、課題に共通性がないことを根拠に進歩性を主張する場合について考えてみたいと思います。

参照:特許庁HPの「『進歩性』のケーススタディ」

http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/tukujitu_casestudy.htm

複数の引用発明が拒絶理由通知で挙げられ、これらの組み合わせにより容易想到と判断されている場合、複数の引用発明の間に課題の共通性がなければ引用発明を組み合わせて本願発明をなすことの困難性の根拠となり得ます。

一方、本願発明と引用発明とを対比したとき、両発明の構成上の相違点(特徴点)が存在し、また、本願発明と引用発明の間に課題の共通性がない場合、知財高判平21.1.28(平成20(行ケ)10096)の判例を参考にして以下のような主張が可能かもしれません。

例えば、種々の課題が存在するなかで特にその課題に着目したことの特異性を指摘するとともに、その課題と構成上の特徴点との技術的関連性を示す示唆が引用発明の内容中にない旨の主張です。

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。