産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会の、第28回特許制度小委員会の「議事録」が特許庁HPにて公表されました。議題は、
1.特許の有効性判断についての「ダブルトラック」の在り方について、及び、
2.侵害訴訟の判決確定後の無効審判等による再審の取扱いについて、です。
上記議題のうち、「ダブルトラック」についてご紹介します。

特許の有効性については、従来、侵害訴訟を審理する裁判所が侵害訴訟の手続の中で審理判断をすることはできず、特許庁での無効審判の手続によらなければならないとされていました。

しかしながら、特許の有効性に関する判断として、2000年4月の“キルビー最高裁判決”では、侵害裁判所は特許に無効理由が存在することが明らかであるか否かについて判断することができ、無効理由が存在することが明らかであるときは、当該特許権に基づく請求は特段の事情がない限り権利の濫用に当たり許されないと解すべき旨が判示されました。

また、2005年4月に特許法第104条の3が施行され、侵害裁判所は、無効理由の存在が「明らか」である場合に限らず、特許の有効性について判断することが可能とされ、侵害訴訟において、当該特許が「特許無効審判により無効にされるべきものと認められるとき」は、当該訴訟におけるその特許権の行使は許されないこととされました。

このような経緯により、現在、特許の有効性に関する判断が、「無効審判ルート」と「侵害訴訟ルート」の二つのルートで行われ得るという、いわゆる「ダブルトラック」という状況が生じています。つまり、同一の特許の有効性について、特許無効審判と侵害訴訟との間で判断齟齬が生じる場合があるということです。

このような現状が、法的安定性や特許権者の手続負担等の観点から、果たして望ましいと言えるのか・・・。そして、問題があるとすれば、それをどのように解決するのが望ましいと言えるのか・・・。第28回特許制度小委員会では、「ダブルトラック」の今後の在り方について、出席委員が議論を交わしています。

「ダブルトラック」の最新の論点に興味がございましたら、下記リンク先をご参照下さい。

特許庁HP内 産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会

「第28回 (平成22年6月11日)」

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/shingikai/tokkyo_seido_menu.htm

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。