お正月が近づき、スーパーマーケットで切餅のパックをよく見かけるようになりました。

切餅に関する特許権侵害事件の判決が平成22年11月30日に東京地裁で下されました(平成21(ワ)7718)。この事件は、切餅に関する特許権を有する越後製菓が、佐藤食品工業に対して侵害製品の製造販売の差し止め及び損害賠償を求めたものです。

東京地裁は特許権の侵害を認めず、原告(特許権者)の請求を却下する判断をしました。原告は東京地裁の判断を不服として知財高裁に控訴したとの報道もあります。

本件特許の当初明細書を特許庁の電子図書館からダウンロードして読んでみました。本件特許のポイントの一つは、従来の切餅は焼いているときに膨らんで内部のお餅が噴き出して焼き網に付着してしまうなどの問題があったのに対し、本件特許は切餅の側面に切り込みを入れたことで、お餅の噴き出しを抑制したことにあります。

切餅の側面に切り込みを入れると、そこからお餅がかえって噴き出しやすくなるように思ったのですが、切り込みのおかげでお餅が上下方向に膨らみやすくなり、上記のような効果があるようです。

切り込みの位置に関し、本件特許の請求項1は「・・・切餅の載置底面又は平坦上面ではなく・・・側周表面に・・・一若しくは複数の切り込み部又は溝部を設け・・・」と規定しています。

一方、被告は側面のみならず、平坦上面にも切り込みを入れた切餅を製造・販売しています。訴訟では、平坦上面の切り込みを有する切餅が本件特許の技術的範囲に属するか否かが論点の一つとなっています。

以上

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。