平成23年5月31日、「特許法等の一部を改正する法律」が可決・成立しました。今回の改正において重要な項目の一つとして、「新規性喪失の例外」規定(特許法第30条)の改正があります。なお、8月8日現在、この改正法はまだ施行されていません。

現行の特許法では、新規性喪失の例外規定が適用される要件は、①試験②刊行物に発表③電気通信回線を通じた発表④長官指定の学術団体が開催する研究集会で文書をもって発表⑤意に反する公知⑥所定の博覧会への出品、のいずれかに限られています。これに対し、改正特許法では要件が大幅に緩和され、上記⑤を除いては「特許を受ける権利を有する者の行為に起因して」発明が公知となった場合に、新規性喪失の例外規定の適用が認められることとなります。具体的な例としては、以下のような場合にも適用されることとなるようです。

(1)テレビやラジオによる公開

(2)販売や配布による公開

(3)特許庁長官から指定されていなかった学術団体が開催する研究集会での発表

(4)現行法では適用外だった博覧会への出品

現行法と比較して極めて広い範囲に適用が認められることとなり、この規定の適用を受ける場面も増えることでしょう。

但し、現行法と同様に、外国出願を予定している場合には注意が必要です。また、この規定の適用を受けた場合でも、特許出願前に他人が同一発明を公表した場合はその発明を権利化できなくなってしまいます。従いまして、この改正法が施行された後も、自ら発明を公開する前に特許出願を済ませておくことが望ましいことに変わりはありません。

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