これまで特許庁審判部は、拒絶査定不服審判については、審理待ち期間中に効率的に審理を進めるための施策として、2008(平成20)年10月より、審判請求人に対して、前置報告の内容を審尋により送付し、審査官の見解に対して意見の機会を与える「前置審尋」を原則として全件に対して行ってきた。

しかしながら、近年では、審判請求から審理を開始するまでに時間を要しない技術分野では、前置審尋を行うことで、かえって審理期間が長期化するなどの弊害が生じ始めていた。

そこで、特許庁審判部は、2014(平成26)年4月以降は、それ以前の原則全件に対する前置審尋の運用を改め、審判請求から審理を開始するまでに時間を要する技術分野(医療、バイオテクノロジー関係)に限り前置審尋を行うこととした。

前置審尋の送付対象でない事件については、審査前置解除通知の受領後に、特許電子図書館(IPDL)の審査書類情報照会(公開前案件を除く)や閲覧請求等を利用して前置報告書の内容を知ることができる。そして、前置報告等に対して意見を提出したい場合には、上申書を提出することができるため、補正案提示の要否も含めて、反論の必要性を自ら検討することが肝要といえる。

なお、面接の希望がある場合には、「審判官及び審判書記官氏名通知」にある当該事件の審判官または審判書記官に電話等で面接の要請を行うことにより面接を行うことができる。

特許庁審判部は、審判請求人が上申書の提出又は面接の要請を行う場合には、これらの手続を早めに行うように審判請求人に求めている。

参考:特許庁「前置報告を利用した審尋について」

***追記(2015年8月6日)***
2015(平成27)年2月以降、医療・バイオテクノロジー関係の技術分野においても前置審尋の送付が中止されました。

 

 

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。