2014 年6 月11日、特許庁は特許行政年次報告書2014 年版を公開した。本稿では、同報告書より、日本国特許庁が推進している、各国特許庁との審査協力等に関する取組について紹介したい。

■特許審査ハイウェイ(PPH)に関する取組

通常型PPH、PCT-PPHに加え、申請要件を緩和してどの国の庁に先に特許出願したかに関わらずいずれかの特許庁による特許可能との審査結果に基づき他庁へのPPH申請を可能とするPPH-MOTTAINAI の導入など、PPHの利用推進を図る取組が行われている。さらなる制度の利便性の向上を目指して、日本国特許庁は利用できるPPHの種類を共通化した多数国間の枠組み「グローバル特許審査ハイウェイ」に参加し、2014年1月から運用を開始している。

■JP-FIRST(JP-FIRST Information Release Strategy)の実施

日本国特許庁の一次審査結果を第二庁の審査に間に合わせることを目的として2008 年4 月からJP-FIRST が実施されている。PPHが特許可能と判断された出願を対象としているのに対して、JP-FIRSTは日本国特許庁における一次審査結果が出た出願を対象としている(下図参照)。より具体的にJP-FIRSTとは(i)パリ優先権主張の基礎となる特許出願のうち、出願日から2 年以内に審査請求されたものを、他の出願に優先して審査着手し(ただし、PCT 国際出願の基礎となった出願は対象外)、(ii)審査請求と出願公開のいずれか遅い方の日から、原則6か月以内に審査着手を行い、審査着手は出願から30か月を超えないようにする、というものである。

2013 年においては、JP-FIRSTを通じて8,496 件の出願の審査結果が早期に海外に発信されている。JP-FIRSTを通じた外国特許庁における日本国特許庁の一次審査結果の利用を促すことにより、審査の質の向上、出願人の外国における適切な権利取得を可能とすること、各特許庁の全体的な審査負担軽減への貢献などが期待される。

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