2014年6月19日、商標法の改正を含む法案Bill C-31が裁可(Royal Assent)を受けて成立した。改正内容は、これまでの同国の商標制度を大幅に変更するものであり、具体的には下記のとおりである。

(1)出願基礎の廃止
これまで、出願時には「現実の使用」又は「使用意思」といった基礎を選択する必要があり、さらに「使用意思」の場合には登録前に使用宣誓書を提出することが求められてきたが、改正によりこのような使用主義的な要件は廃止され、異議申立期間を経過すれば登録証が発行される。これにより、これまでカナダで使用予定が無いために出願を躊躇していた海外企業からの出願も増加するであろう。

(2)区分制度の導入
カナダは世界で唯一「商品・役務区分」を採用しない国であったが、マドプロ加盟をにらみ、国際分類45区分が導入されることになる。ただし、指定商品・役務の表現については、これまで通り具体的な記載が求められる。また、これにより区分単位で庁費用が発生することになると思われる。

(3)商標権の存続期間の変更
これまで、存続期間は登録日から15年であったが、他国と調和を図り10年に変更される。なお、15年間の長期の存続期間更新による利益を享受するためには、改正法施行前に更新手続きを行えばよい。また、改正後は区分単位で更新費用が発生することも予想されるので、改正前であれば区分の概念なしで更新できる。

(4)出願分割制度の導入
これまで、カナダでは出願分割が認められなかったが、これが利用できるようになる。改正法は関連する審査基準の整備を経て、2015年中の施行が予想される。

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