EU各国での「白黒vs 色彩商標」の共通した扱いを定めた「Convergence Programme」が2014 年4 月15日付にて欧州共同体商標意匠庁(OHIM)より発表され、各国での採用が始まっている。

これは、これまで慣習的に「白黒商標は全ての色彩をカバーする」と理解されていた点(また、一部にはそうでない国もあった)に関し、EU加盟国の特許庁が検討を重ね、共通解釈を定めたものである(ただし、国内法との関連でスウェーデン、デンマーク、イタリア、フランス、フィンランドは不参加)。

「Convergence Programme」の要点は、次の(1)~(3)である。

(1)優先権主張段階の同一性

・登録商標が白黒で出願商標が色彩付の場合、色彩の相違が重大でない場合を除き、同一ではない。

・登録商標がグレースケールの場合は、色彩の相違に加え、グレースケールの印影(濃淡)の相違が重大でない場合を除き、同一ではない。

(2)商標類似の判断段階の同一性

・登録商標が白黒で出願商標が色彩付の場合、色彩の相違が重大でない場合を除き、同一ではない。

・登録商標がグレースケールの場合は、色彩の相違に加え、グレースケールの印影の相違が重大でない場合を除き、同一ではない。

(3)不使用取消段階の同一性

・判断はケースバイケースであるが、登録商標/使用商標間の色彩の相違が下記の要件を満たす場合には同一性を失わない。

①要部である文字・図形が変更されず同一である場合

②印影が維持されている場合

③商標に付された色彩が、それ自身では識別力を発揮するものでない場合

④商標に付された色彩が、商標の全体的な識別力に影響を与える要素とはならない場合

上記の(1)及び(2)における同一性は「相違が重大でない(insignificant)ものか」が問題となるが、プロジェクトからは、いくつかの事例が提示されている。

これらについては、実務上概ね了解できる範囲であろう。一方、実務上関心が高いのは(3)の不使用取消段階の同一性の解釈であろう。

[出典]https://oami.europa.eu/ohimportal/en/web/guest/news/-/action/view/1230554

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