既報のとおり、2014年6月にカナダで商標法改正法案が成立しました。

本稿執筆時点の情報によれば、2015年中とも言われていた施行時期はやや遅れるようで、マドリッドプロトコルへの加盟と合わせて施行することになった場合には、2016年までずれ込むこともあり得るそうです。

数ある改正点の中で、実務への影響が最も大きいものは「使用宣誓書の廃止」です。

すなわち、現行法では、カナダ国内で使用している商標及び商品・役務でなければ登録を受けることができないため、将来使用する予定の商標や商品・役務を登録する途は限られていました。しかしながら、改正後は、他国と同様に先願主義・登録主義で審査が進み、登録にあたってカナダ国内での使用の有無を問われることは無くなります。

そこで、この機会を捉えて、新法の施行前に以下のような対応を取ることが考えられます。

(1)係属中である使用予定出願の宣誓書提出期限の延長
改正が施行された際には「施行時点で係属中の出願にも改正法が適用されることになる」とのことです。したがいまして、現段階で使用予定の商標に係る出願がある場合、使用宣誓書の提出を改正施行時まで延長していくことで、できるだけ広い範囲の登録を試みることが考えられます。

(2)法改正を見越した再出願・新規出願
現時点では使用予定が無い商標を防衛的に出願したり、ハウスマークなどの重要商標を現行登録より広い範囲で再出願していくことも検討可能と思われます。その場合、現行法下で、出願して施行時点まで出願の係属を維持するためには、上述のとおり、使用宣誓書の提出期限を延長していくことになります。

また、区分制度の無い現行法下での出願の方が、出願時費用を相対的に抑えられるメリットも考えられます。

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