Ultramercial, Inc., and Ultramercial, LLC, v. Hulu, LLC, and WildTangent, Inc. (Fed. Cir. 2014) No. 10-1544

2014年11月14日、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は、特許法101条の保護適格性が争われ、これまでの経緯も相まって判断が注目されていたUltramercial v. Hulu 事件への判決を下した。

本件の対象特許(US 7,346,545)は著作権で保護された製品をインターネット上で配布する方法に関するもので、過去に2回、CAFCは保護適格性を満たすとして特許有効の判断を下し、2回とも最高裁に上告されていた。しかしながら、いずれの上告も、Mayo v. Prometheus(2012年3月)及びAlice v.CLS Bank(2014年6月)の最高裁判決の後にCAFCへ差し戻されており、CAFCは3回目にして初めて特許無効の判断を示した。

今回のCAFC判決では、Alice 最高裁判決でも用いられた2ステップの判断手順が用いられた。まず、CAFCは、第1のステップとして、クレームが特許不適格なコンセプト(すなわち、自然法則、物理的現象、抽象的アイデア)のいずれかに関するものか否かを検討し、対象特許はそのようなコンセプトの1つである抽象的アイデアをクレームするものであると判断した。次に、第2のステップとして、クレームの限定は、保護適格性を満たす主題へクレームされている抽象的アイデアを変換するものであるか否かを検討した。これについては、インターネット上での利用をクレームにおいて限定することは保護適格性を満たすために十分ではないとCAFCは判断した。

さらに、Bilski v. Kappos最高裁判決(2010年6月)において、方法クレームの保護適格性を判断するための唯一のテストではないと判示されていた「機械・変換テスト(Machine or Transformation Test)」についても、CAFCは本判決の中で言及し、新規の機械又は装置との関連付けはなく、変換にも該当しないと判断した。

米国では、Bilski 最高裁判決以降、ビジネス関連発明の保護適格性のみならず、ソフトウェア関連発明の保護適格性についても、判断が厳格化される方向にあると言われてきたが、Alice最高裁判決でその方向性がより明確となり、今回のCAFC判決はその傾向に沿ったものであると考えることができる。この影響は、遠からず米国特許商標庁(USPTO)の審査にも及ぶと考えられ、Alice 最高裁判決後にUSPTOが公表した暫定審査インストラクションのアップデートが待たれるところである。

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