2014年12月5日、米国最高裁判所は、Commil USA, LLC v. Cisco Systems, Inc. 事件の上告を受理し、審理を開始することを決定した。

本件の審理では、特許が無効であるとの被告(被疑侵害者)の信念が、米国特許法271条(b)項の誘引侵害に関する特許権者の主張に対する防御手段として使えるか否かについて判断が下される予定である。最高裁の判断によっては、誘引侵害を回避するために、特許無効について合理的な理由に基づいた結論が示されている鑑定書を被疑侵害者が予め入手していることの価値に影響を及ぼすことになる。そのため、実務レベルで注目すべき事件といえる。

なお、本件に関して2013年6月25日に下された米国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)の判決では、弁護士による無効鑑定が誘引侵害を否定するための材料となり、かつ、特許無効であるという誠実な信念(good faith belief)により米国特許法271条(b)項の誘引侵害における「意図(intent)」の要件を回避できると判示されている。

***追記(2015年6月5日)***
2015年5月26日に判決があり、米国最高裁判所はCAFCによる従前の判断を覆し、特許が無効であるとの被疑侵害者の信念は、誘引侵害に関する特許権者の主張に対する防御手段にはならないと判示した。

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