特許協力条約(PCT)に基づくに規則26の2.3では、12か月の優先期間内に国際出願を提出できなかったことの理由が、各官庁が採用する「故意ではない」基準又はより厳格な「相当な注意」基準を満たす場合、受理官庁は出願人の請求により、優先権の回復を認めている。なお、いずれの基準を採用するかは各官庁に委ねられている。

日本は、当該PCT規則の規定を留保してきたが、国内関連規則の改正により2015年4月1日以降に受理された国際出願について、出願人は受理官庁である日本特許庁に対して優先権の回復手続を行うことが可能となる。

優先権の回復手続にあたっては、所定の時期的制限(優先期間満了の日から2か月以内等)、証拠提出等の要件を満たしている請求が必要である。出願人の請求に対して、日本特許庁は、「相当な注意」基準を満たしているか否かの判断を行い、優先権回復の可否を判断する。日本特許庁が優先権の回復を認めた場合、PCT規則49の3.1の規定を留保していない指定国において、原則として効力を有することになる。

「相当な注意」基準を満たすことは容易ではないと考えられるため、安易に優先期間徒過の救済を期待することは避けるべきであるが、ひとたび優先権の回復が認められれば、指定国での手続を簡略化できる効果を期待できる。

【出典】
日本特許庁「特許協力条約に基づく規則26の2.3に基づく優先権の回復について

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