日欧中韓の四庁の特許出願・審査情報(ドシエ情報)の一般への一括提供が2015年4月15日から開始された。同年6月には米国特許商標庁のドシエ情報も追加され、日米欧中韓のドシエ情報を各特許庁のサービスへ個別にアクセスすることなく、シームレスに利用することが可能となった。

このサービスは、グローバル・ドシエ又はワン・ポータル・ドシエと呼ばれており、2015年4月の当初は欧州特許庁及び韓国特許庁が提供するサービスからドシエ情報の閲覧が可能となった。その後、中国特許庁、米国特許商標庁及び日本特許庁からも提供が開始され、下記のように五庁の特許情報サービスが出揃った。

各サービスで提供されているドシエ情報は基本的には同一であるが、インターフェースには違いがある。また、言語については、EPO版は英語・ドイツ語・フランス語(一部、日本語表示有り)、KIPO版は韓国語でのサービス利用が前提となっているが、SIPO版では、中国語のほかに、日本語、英語、スペイン語等のインターフェースも提供されている。

インターフェースだけでなくサービスの詳細も庁によって異なるが、JPO版、EPO版及びUSPTO版を例にすると、非英語圏である日本、中国及び韓国のドシエ情報についてはオリジナルと英訳(機械翻訳)を閲覧できる点は共通であり、拒絶理由通知等の庁通知だけでなく、出願人による補正書・意見書等も英語で確認することができる。

日本特許庁のウェブサイトでは、JPO版だけでなく、USPTO版EPO版SIPO版及びKIPO版についてもドシエ情報の取得方法が日本語でわかりやすく紹介されており、検索時の番号形式の違い、便利な機能等についても説明が加えられている。

なお、2015年1月に中国の蘇州で開催された第2回グローバルドシエ・タスクフォース会合での資料「Progress on public access to OPD」にてJPO版の一般提供開始予定は2016年7月と予告されていたが、2016年7月25日に特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」にワン・ポータル・ドシエ機能を追加する形で提供が開始された(J-PlatPatの機能追加・改善に関する今後のスケジュールは追記(2016年5月31日)参照)。

【出典】
日本特許庁「各国特許出願・審査情報の一般ユーザへの提供について
Five IP Offices「Global Dossier and patent information (WG2)

***追記(2015年8月18日)***
中国特許庁によるサービスに関する記述を追加するとともに、内容を一部変更

***追記(2015年11月24日、12月9日)***
米国特許商標庁が2015年11月20日からサービスを開始したことにあわせて記述を追加
中国特許庁によるサービスのアドレスが変更されたため、リンク先を変更
出典と資料へのリンクを追加

***追記(2016年5月31日)***
2016年5月31日、工業所有権情報・研修館(INPIT)より、J-PlatPatでのワン・ポータル・ドシエ(OPD)の機能追加予定が2016年7月25日であることが発表された。あわせて、2018年(平成30年)1~3月頃までの機能追加・改善の予定が【スケジュール1】~【スケジュール4】として発表されており、固定アドレスサービスのように以前から要望が多かったものも含まれている。

  • 【スケジュール1】平成28年7月25日(月)
    ワン・ポータル・ドシエ(OPD)の機能追加 など
  • 【スケジュール2】平成28年12月末
    特許情報固定アドレスサービス(試行) など
  • 【スケジュール3】平成29年3月末
    印刷機能の改善、パテントマップガイダンスの分類情報への直接リンクが可能 など
  • 【スケジュール4】平成30年1~3月頃
    特許・実用新案検索機能の刷新(特許庁システムとの連携によるデータベースの共通化と検索機能の追加・改善)

***追記(2016年8月5日、8月8日、8月10日)***
J-PlatPatでのワン・ポータル・ドシエ機能追加にあわせて、追記及び内容を全面的に更新

【出典】
工業所有権情報・研修館(INPIT)「特許情報プラットフォーム機能追加・改善予定について

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