2015年8月7日より、日本特許庁は外国特許情報サービス「FOPISER (フォピサー; Foreign Patent Information Service)」の提供を開始した。開始時点での収録はロシア(特許・実用新案・意匠)、台湾(特許・実用新案・意匠)、オーストラリア(特許)であるが、今後、フィリピン、シンガポール等の掲載が予定されている。また、9月30日からはロシア・台湾・欧州共同体商標意匠庁(OHIM)の商標照会サービスの提供も開始された。この「FOPISER」を利用することで、これまでは日本語での検索・照会が難しかった国についても特許情報等を無料で容易に入手できる範囲が拡大していくことが期待される。
(※2016年3月に「欧州共同体商標意匠庁(Office for Harmonization in the Internal Market; OHIM)」は「欧州連合知的財産庁(European Union Intellectual Property Office; EUIPO)」に改称

なお、「FOPISER」の開始に先立ち、2015年1月5日からは、中国・韓国語の特許文献を日本語で検索できるサービスである「中韓文献翻訳・検索システム」が提供されている。

「FOPISER」及び「中韓文献翻訳・検索システム」での特許検索は、検索・照会の方法において「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」と類似している点も多く、違和感なく使い始めることができる。特に、「中韓文献翻訳・検索システム」では、日本語でのキーワード検索も可能であるが、よくある質問(FAQ)にも記載されている通り、公報の機械翻訳を利用しているために検索結果が適切ではない可能性があり、出願人・権利者については日本語での検索ができない等の制限もある。

世界各地の特許文献に無料アクセスが可能なオンラインサービスとしては、70以上の国・地域を収録している「Espacenet」(欧州特許庁提供)が知られており、検索キーワードに日本語は使用できないが、日本語インターフェースは提供されている。また、「PATENTSCOPE」(世界知的所有権機関(WIPO)提供)も日本語インターフェースを介して、PCT以外にも40以上の国・地域について特許文献を検索することができる。IPC、発行国及び期間を同一にしても、ファミリー情報、公報種別の取扱い等に起因すると思われる大小の差異が検索結果には見受けられるが、各サービスの特徴を考慮しつつ、用途に応じた使い分けや併用が有効であると考えられる。

【出典】
経済産業省「外国特許情報サービス「FOPISER(フォピサー)」を開始します~これまで照会できなかった国の特許情報を無料で検索、照会することが可能になります~
特許庁「外国特許情報サービス「FOPISER(フォピサー)」における商標照会サービス開始のお知らせ

【記事中で紹介した各サービスへのリンク】
・「FOPISER
・「中韓文献 翻訳・検索システム
・「Espacenet
・「PATENTSCOPE

***追記(2016年7月8日)***
FOPISER (フォピサー)については、その後の収録内容の追加により、2016年7月7日時点で下記のサービスが利用可能となっている。なお、収録状況は国及び公報の種類によって異なり、詳細は「検索可能範囲参照」のページで確認することができる。

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