韓国大法院(最高裁判所に相当)は、医薬用途発明の新規性及び進歩性の判断において、投与に関する用法や用量が発明の構成要素に該当するのかどうかに関して、韓国の大法院はこれまでの大法院判例の見解を変更し、用法や用量も発明の構成要素として認めるべきと判示した(2015年5月21日宣告2014フ768 全員合議体判決)。

韓国大法院は、「医薬という『物』の発明において、対象疾病又は薬効とともに投与の用法や用量を付加した場合、かかる用法や用量は医療行為そのものではなく、医薬という「物」が効能を完全に発揮できるようにする属性を表現することによって、医薬という『物』に新しい意味を付与する構成要素となり得ると認めるべきであり、かかる投与の用法や用量という新しい医薬用途が付加されることで新規性や進歩性などの特許要件を備えた医薬に対しては新たに特許権が付与できるとする。」と判示した。

今回の判決は、改良医薬発明の開発の困難性を認め、医薬用途発明について一層手厚い特許権の保護を示唆していると言える。

なお、日本では、現行審査基準の「第Ⅶ部 特定技術分野の審査基準 第3章 医薬用途発明(2015年10月予定の改訂により、審査ガイドブックへ移行予定)」において、用法又は用量が特定された特定の疾病への適用に関して新規性及び進歩性が肯定される場合の考え方と事例が示されており、判断手法は確立されている。今後は、韓国においても、日本と同様の判断手法になっていくものと思われる。

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