中国国家工商行政管理総局(以下「工商総局」という)から公表されていた「知的財産権を濫用し競争を排除・制限する行為の禁止に関する規定」が2015年8月1日に施行された。この規定では、パテントプールや、いわゆる標準必須特許の取扱いをはじめとして、知的財産権と独占禁止法との関係が規定されている。

中国では、独占禁止法の執行機関として、商務部、国家発展改革委員会(以下「発改委」という)及び工商総局の3機関が認定されている。このうち、発改委は、2015年2月に、独占禁止法55条のただし書きにおける「事業者が知的財産権を濫用し、競争を排除、制限する行為には、本法を準用する。」という規定に基づいて、無線通信関連の標準必須特許のライセンスに係る米大手通信・クアルコム社の行為に対して中国過去最高額の60億8,800万元(約1,150億円)の制裁金を課している。

この制裁事件及びこの度施行された工商総局の規定により、権利者の保護とあわせて、濫用行為の禁止を強化してきた中国政府の姿勢が着実に明らかになってきているといえよう。

【参考】
ジェトロ「法令・法規 – 知的財産に関する情報 – 中国法律・法規-行政法規 工商行政管理機関の知的財産権濫用による競争排除・制限行為の禁止に関する規定(日本語仮訳原文)」

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