<欧州単一効特許>イタリアが正式に参加
統一特許裁判所(Unified Patent Court)だけでなく、欧州単一効特許(Unitary Patent;「欧州単一特許」とも訳される)にも参加の方針へ転換したイタリアであったが、2015年9月30日付けで正式に参加したことが欧州委員会(European Commission)より発表された。これにより、現時点で単一効特許の枠組みに不参加の意向を示しているEU加盟国は、スペインとクロアチアの2か国となった。

なお、欧州特許庁(EPO)のBattistelli長官は、イタリアの正式参加に先立つ9月16日付けのブログにて、欧州特許条約(EPC)締約国中では現在4番目となる44%の欧州特許が発効されているイタリアの正式参加を歓迎するとともに、2016年中とする単一効特許施行の目標がより現実的になったとの見解を示している。

<欧州統一特許裁判所>協定発効に向けた進展が相次ぐ
ポルトガルが手続を完了したことで、発効に必要な13か国(イギリス、ドイツ、フランスを含む)の批准まであと5か国となった欧州統一特許裁判所協定だが、発効に向けた準備の進展が相次いでいる。

1つは、2015年10月1日にフランス、ドイツ、イギリスを含む7か国により署名された「統一特許裁判所に関する協定の暫定適用に関する議定書」である。同日付けでのEPOからのプレスリリースでは、協定の正式発効前に判事の指名等の必要な法的・実務的準備をするための障害を取り除くものと評価されている。

もう1つは、統一特許裁判所(UPC)のウェブサイトにて10月27日付けで発表された「統一特許裁判所の手続規則」の採択である。今回採択された規則は、UPC準備委員会内での準備作業に加えて意見募集および公聴会等を経て作成された第18次草案で、発表では大きな節目と評されている。

【出典】
欧州特許庁「Blog: Italy on course for unitary patent and Unified Patent Court」、「Member states move forward on the Unitary Patent
欧州委員会「Daily News 30 / 09 / 2015: Italy joins the Unitary Patent」
欧州統一特許裁判所「Unified Patent Court – Rules of procedure

【参考】
欧州特許庁「Member states move forward on the Unitary Patent
※更新料(年金)支払による収入の分配に関する合意などについてのニュース
欧州特許庁「Unitary patent & Unified Patent Court
※Unified Patent Courtのページに、統一特許裁判所協定の批准状況(status of ratification)に関する欧州理事会(European Council)のページへのリンク有り

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