2015年9月9日、中国最高人民法院は、知的財産専門の裁判所である「知識産権法院」の運営状況を発表した。この発表によると、2014年末に北京、上海及び広州で設立されて以来、下表の通り、各知識産権法院はすでに多くの案件を受理している。特に北京では、設立後10か月ほどで合計の受理件数は6000件を超えており、北京と広州では主任裁判官1人当たりの判決済の事件数は100件を超えている。

China201512*2015年8月20日までの統計

北京知識産権法院が受理した事件のうち、専利(特許、実用新案、意匠)と商標の権利付与・権利確認をめぐる行政事件(審決取消訴訟等)の割合は全件の4分の3以上となっている。また、外国関連の事件は一審件数の39.4%であった。

一方、上海知識産権法院が受理した事件は、著作権関連が半数以上を占めており、広州知識産権法院が受理した事件では、専利関連が一審件数の90.99%、全件数の53.24%を占めている。

現在、中国では出願件数が急激に増加すると共に、訴訟件数も増加しており、今後は、これに伴う知的財産分野の裁判官の不足や判決の品質保証が課題になりうると考えられる。

【参考】
新興国等知財情報データバンク「中国における知的財産裁判所(知識産権法院)

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***追記(2016年10月3日)***
新興国等知財情報データバンクの運営主体変更に伴うURL変更にあわせて、参考資料のリンク先を変更

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