既報の韓国特許法改正案が 2016年2月4日に国会を通過し、公布から1年後に施行されることとなった(施行日は2017年3月1日の予定)。

実務上の観点からは、特に次の改正点に注目できる。

1. 特許出願に関する審査請求期間の短縮
現行法では「特許出願日から5年」である特許出願の審査請求期間が「特許出願日から3年」に短縮される。改正法の施行日以降の出願に適用される。

2. 特許取消申請制度の導入
日本の異議申立制度に相当する特許取消申請制度が導入される。この特許取消申請制度では、特許権の登録公告日から6か月以内の期間において何人も申請することが可能で、審査で引用されなかった先行技術文献に基づく新規性欠如・進歩性欠如等を申請理由とすることができる。

判断主体は審判官合議体で、審判長による取消理由通知に対する意見提出の機会に特許権者はクレームの訂正を請求することができる。

なお、取消決定に対して特許権者は特許法院に出訴することができるが、棄却決定及び却下決定に対しては不服申立をすることができない。

本制度は改正法の施行日以後に設定登録された特許権に適用される。

3. 職権再審査制度の導入
特許決定の謄本が発送された後であっても、特許権が発生する前までに明白な拒絶理由が新たに発見された場合には、審査官が職権で特許決定を取り消し、審査を再開することができる。改正法の施行日以降に特許決定された特許出願に適用される。

その他、外国における審査結果の提出命令制度の導入、訂正審判請求可能時期の制限、特許に関する審決確定までの訴訟当事者による手続き中止申請権の導入、特許権移転の請求制度の導入等が施行される。

【参考】
ジェトロソウル事務所 知財チーム「「2016年特許法改正動向説明会」参加報告書を掲載します。

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