2016年3月下旬から4月上旬にかけて「みなし放棄」として扱った大量の商標案件に関して、インド特許意匠商標総局 (CGPDTM;インド特許庁)は、「みなし放棄」の取扱いを一時停止するとの公告(Public Notice)を行った。本件の経緯は、次の通りである。

かねてより、商標局(Trade Mark Registry)には大量の案件が滞留しており、事務処理の遅さが問題となっていたが、オフィスアクション(OA)への応答がなかった出願を放棄されたものとみなすとの処理を大々的に行った。後述するデリー高裁の停止命令に示されているデータによれば、このような処理により「みなし放棄」とされた出願の件数は、20万件弱に達している。

インドでは、まずOAが庁のデータベースにアップロードされるが、この時点では応答期限が発生せず、正式な応答期限はOAが書面で到着してから起算される(書面の受領後30日以内等)。今回、商標局は、この期限内に応答がなかったものを放棄扱いとした模様であるが、適切に応答されていたものや、実際には書面が到着していなかったものが多数含まれていたと伝えられている。

この「みなし放棄」に関して、当局に申し入れがされた結果、 CGPDTMは4月4日付けの公告にて、該当する出願人に「みなし放棄」が不当である旨を申立てる機会が与えられ、その期限として2016年4月30日が設定された。

さらに、4月5日付けにて、デリー高裁は、今回の「みなし放棄」の処理を停止し、郵送により通知をすることなく出願を放棄扱いとしないようにとの命令を出した。これを受けて 、CGPDTMは4月11日付けの公告にて、「みなし放棄」の取扱いを一時的に停止すると発表した。

なお、現地での情報によれば、デリー高裁は2016年5月12日にヒアリングを実施する予定とされていたが、2016年5月末時点において、CGPDTMのウェブサイトでは追加の発表等は行われていない。

【出典】
インド特許意匠商標総局「Public notice – relating to “treating applications as abandoned” in want of reply to Examination Report containing office objection within prescribed period (04 April, 2016)」
インド特許意匠商標総局「Registrar of Trade Mark has issued further public notice in relation to abandonment of Application of Trade Marks (11 April, 2016)」

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