2015年4月1日に特許異議申立が施行されてから1年半以上が経過し、申立件数だけでなく、結論に関する状況も明らかになり始めている。

異議申立の件数については、特許出願等統計速報のデータに基づく下図からわかるように、施行から6か月が経過した2015年10月以降から大きく増加し、月80~160件程度、平均で月100件強のペースで推移している。なお、別途に公表されている統計によれば、2016年6月3日までの申立件数は合計861件、2016年8月1日までの申立件数は合計1001件(いずれも権利単位)となっている。

一方、無効審判の請求件数は、月20件を超えることがなくなり、わずかながらではあるが減少傾向にある。

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異議申立の結果については下表のとおりであり、2016年3月頃までは取消理由が通知されることなく維持決定となったものが多かったと推測されるが、7月末頃までには取消決定が出始めている。なお、下表の件数は、各調査時点においてJ-PlatPatの「審決速報」にてヒットした特許異議申立の決定に関する件数であり、異なる調査時点であっても同一の決定が含まれうる。また、「審決公報DB」に反映済みのものは「審決速報」に含まれていないため、累積の件数ではない。

<J-PlatPat「審決速報」における特許異議申立に関する決定の件数推移>

ヒット
件数
内訳
維持 申立
却下
取消 一部
取消
2016年3月14日調べ 80 80 0 0 0
2016年7月28日調べ 141 123 2 14 2
2016年9月2日調べ 161 139 2 17 3
2016年9月30日調べ 165 145 2 13 5
2016年10月28日調べ 163 133 4 19 7
2016年11月29日調べ 227 191 5 23 8

※いずれのヒット件数も、旧異議申立制度下での決定を除く

***追記(2016年9月30日、10月28日、11月29日)***
件数推移および特許異議申立の結果に関するデータを更新
データの更新にあわせて、タイトル及び本文の一部を変更

***追記(2016年11月14日)***
続報にあわせて、タイトル及び本文の一部を変更

【出典】
特許庁「特許出願等統計速報」、「特許異議の申立の状況、手続きの留意点について
J-PlatPat「審決速報

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