2017年1月23日、欧州特許庁(EPO)は、欧州特許をカンボジアの国内特許として認証(validation)することに関する合意が署名されたことを発表した。カンボジア国内法の対応後となるため、合意の発効は暫定的に2017年7月1日が予定されている。なお、カンボジアはWTO加盟国であるが、医薬品関連特許については義務履行の免除を受けていることから、その経過措置期間中は医薬品に関する特許は、認証の対象外となる模様である。

欧州特許の認証は、モロッコとモルドバについて発効しており、カンボジアはアジアで最初の認証国となる。

カンボジアでの特許取得に関しては、日本との間における「特許の付与円滑化に関する協力(CPG)」により2016年7月1日より、日本で審査を経て特許となった出願に対応するカンボジア出願について、出願人からの申請により、実質的に無審査でカンボジアにおいても特許を取得することができる。一方、欧州特許の認証の場合には、欧州サーチレポートの公開から6か月以内(PCTルートの場合は、原則、優先日から31か月以内)に所定の費用を支払うことを条件とするが、優先権主張を伴うカンボジア出願は不要である。さらに他の手段として、シンガポール特許の再登録によるカンボジア特許の取得も可能であることから、今後、案件の状況に応じた選択をすることが必要となる。

【出典】
欧州特許庁「Cambodia first Asian country to recognise European patents on its territory

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