環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)について、同協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律が、2016年12月9日に可決・成立し、12月16日に公布された。

知財関連では、特許法に関する新規性喪失の例外規定をはじめとして、商標法及び著作権法の改正が同法律には含まれているが、地理的表示法(GI法)に係る商標法26条3項1号の改正規定を除いて、施行日は「環太平洋パートナーシップ協定が日本国について効力を生ずる日」とされている。

TPP協定の発効には米国の批准が必要とされているところ、2017年1月23日に米国大統領が同協定離脱の大統領令に署名しており、現在のところ、施行の見通しは立っていない。(→その後の動向については、下記の追記参照)

【出典】
(1)特許庁「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年12月16日法律第108号)
(2)経済産業省「特許法施行令及び特許法等関係手数料令の一部を改正する政令が閣議決定されました

***追記(2017年11月21日)***
2017年11月11日、ベトナムのダナンでのTPP閣僚会合において、米国を除く11か国によるTPP11協定(正式名称:Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership (CPTPP))が大筋合意に至った。附属書Ⅱの「停止(凍結)される規定のリスト(英語原文日本語仮訳)」では、【関連記事】の本文で列挙した項目のうち下記が含まれているため、2016年12月16日に公布済みである「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律」の取扱いが今後注目される。

  • 審査遅延の補填としての特許期間延長(Article 18.46)
  • 著作権等の保護期間の延長(Article 18.63)

また、その他の凍結項目には、知的財産の内国民待遇(Article 18.8 (脚注4の第3~4文))、特許対象事項(Article 18.37.2、18.37.4の第2文)、医薬承認審査に基づく特許期間延長(Article 18.48)など知的財産関連の項目が多く含まれている。

【出典】
内閣官房・TPP政府対策本部
「TPP首脳会合等について:平成29年11月のダナン(ベトナム)におけるTPP閣僚会合について
TPPの内容:環太平洋パートナーシップ協定(英文・訳文)について」

***追記(2018年4月2日)***
2018年3月27日、TPP11協定及び国内法改正法案の国会提出について閣議決定がされた。法律案の概要に示されているように、環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(TPP整備法)について所要の改正を行う必要があることを背景とし、題名及び施行期日の改正を中心とする法律案となっている。

また、同じく法律案の概要では、著作権法及び特許法の改正について、「TPP11協定上の凍結項目(「著作物等の保護期間の延長」、「技術的保護手段」、「衛星・ケーブル信号の保護」及び「審査遅延に基づく特許権の存続期間の延長」)を含む(TPP整備法附則第1条)。」とされている。すなわち、基本的な改正内容は既報にて示したものから変更されていない。

【出典】
内閣官房・TPP等政府対策本部「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案について

【参考】
衆議院「議案情報:第196回国会 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結について承認を求めるの件
参議院「議案情報:第196回国会(常会) 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結について承認を求めるの件

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