近年、米国連邦最高裁判所は知財関連の事件を多く取り上げており、昨年2016年12月には意匠権(Design Patent)の損害賠償額の算定基準について判決を下している(同判決に関する記事はこちら)。その後、2017年に入ってからは3月末までで、米国連邦最高裁はすでに下記の特許2件・著作権1件について判決を下している。

なお、特許権の消尽、特許訴訟提起の裁判地等を争点と知的財産権が関連する下記事件についても2017年4月末時点で係属中であり、多くは2017年夏までに判決が示される見込みとなっていることから、米国連邦最高裁の判断が引き続き注目される。

***追記(2017年5月25日、26日)***
2017年4月末時点で係属中であった事件のうち、下記の2件についての判決が現地時間の5月22日に下された。

  • TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC (Supreme Court 2017) No. 16-341
    原告が米国企業を被告として特許侵害訴訟を提起できる裁判地は、28 U.S.C. §1400(b)の規定に従って、「被告の住所地(原文は、”where the defendant resides”)」又は「被告が侵害行為を行い、かつ、正規で確立された営業所/事業所を有する地(原文は、”where the defendant has committed acts of infringement and has a regular and established place of business”)」に対応する地区であると判断。判決では、「被告の住所地」について関連する条文の変遷及び過去の裁判例を検討。

    これにより、特に米国企業を被告とする特許侵害訴訟については、原告に有利な裁判地として知られていたテキサス州東部地区への提起が困難になり、多くの米国企業が住所地としているデラウェア州地区等での提起が増えるとの見方が強まっている。また、本判決は、NPE(Non Practicing Entity:不実施事業体)、特に、いわゆるパテント・トロールが原告の訴訟に大きな影響を与えると見られている。

  • Water Splash, Inc. v. Menon (Supreme Court 2017) No. 16-254
    下記引用に示されるように、条件付きにてハーグ送達条約は郵送による送達を禁じていないと判断。

    判決文12ページより引用)
    In other words, in cases governed by the Hague Service Convention, service by mail is permissible if two conditions are met: first, the receiving state has not objected to service by mail; and second, service by mail is authorized under otherwise-applicable law.

【参考】
米国連邦最高裁判所「Docket Search
日本特許庁「外国産業財産権制度情報アメリカ合衆国 商標法(日本語仮訳)

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