特許庁は、2017年3月22日、「特許・実用新案審査ハンドブック」の改訂を発表した。今回の改訂での注目点はIoT関連技術等に関する事例の充実化である。このうち発明該当性の事例では、請求項等の記載に基づく説明と共に、下記のようなものが挙げられている。

  • 情報の単なる提示であるとして「リンゴの糖度データ」は発明に該当しないとした事例(IoT関連技術;事例3-2
  • 具体的な情報処理を規定する「音声対話システムの対話シナリオのデータ構造」がプログラムに準じているとして、自然法則を利用した技術的思想の創作であり発明に該当するとした事例(AI関連技術;事例2-13
  • 「3D造形用データ」に係る請求項が、具体的な記載によりプログラムに類似する性質を有するとして、特定の方法を制御部に実行させるためのソフトウエアであることから発明に該当するとした事例(3Dプリンティング関連技術;事例2-15

他にはAIの学習済みモデルを取り上げた事例など発明該当性については合計で7つ、また進歩性については4つの事例が追加され、従前の事例を含む資料を更新した解説資料「IoT関連技術の審査基準等について」も公表された。

その他、附属書Dの審判決例集においては、プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する裁判例(二重瞼形成用テープまたは糸及びその製造方法事件)及び不特許事由に関する裁判例(筋力トレーニング方法事件)が追加された。さらに、第Ⅰ部審査総論にうち、刊行物等の記載事項(第2章 審査の手順 1207)及び面接等(第2章 審査の手順 1217)では説明が追加された。

【出典】
(1)特許庁「「特許・実用新案審査ハンドブック」の改訂について(3月22日)
(2)特許庁「IoT関連技術の審査基準等について

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