産業財産権制度の国際的調和及び適切な権利保護を図る上での必要事項について調査研究を行うことを目的として、特許庁では、産業財産権制度問題調査研究事業を毎年度実施しています。平成28年度分については、2017年5月末時点で、下記を含む計14の研究テーマに関する報告書が公表されています。

いずれも、ボリュームのある報告書ですが、今年度からは要約版があわせて公表されています。

  • AIを活用した創作や3Dプリンティング用データの産業財産権法上の保護の在り方に関する調査研究(全文要約版
  • ネットワーク関連発明における国境をまたいで構成される侵害行為に対する適切な権利保護の在り方に関する調査研究(全文要約版
  • 特許権侵害訴訟における訴訟代理人費用等に関する調査研究(全文要約版
  • 企業等における新たな職務発明制度への対応状況に関する調査研究(全文要約版

この中で、新たな職務発明制度に関する調査研究では、論文、判例等の公開情報調査に加えて、法人2000者、発明者7000者を対象とする大規模なアンケート調査に基づく結果が取りまとめられています。アンケートの質問には、特許を受ける権利の帰属、相当の利益等のように平成27年法改正に関連する事項が含まれており、結果には「企業を中心に原始使用者等帰属を選択する者が顕著に増加している実態が明らかになった」等の興味深い分析が示されています。また、相当の利益については、規程の内容に関するアンケート結果も含まれており、職務発明規程を検討する際の参考資料としても活用できる内容となっています。

この職務発明制度に関する調査研究報告書については、下記の関連記事もご参照ください。

【出典】
特許庁「特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書について

【関連記事】
法務トピックス 改正職務発明制度への対応状況(1) 2017-05-08
法務トピックス 改正職務発明制度への対応状況(2) 2017-05-10
法務トピックス 改正職務発明制度への対応状況(3) 2017-05-12

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