2017年7月より、特許庁は経済産業省と合同で「産業競争力とデザインを考える研究会」を開催しています。この研究会では、デザインによる我が国企業の競争力強化に向けた課題を整理し、その対応策を研究することになっています。今後、2018年3月までの間に月に1度のペースで全10回の研究会が開かれ、報告書が取りまとめられる予定です。

この研究会開催の背景には、「製品の同質化(コモディティ化)が急速に進む今日、機能や品質のみで、他者製品を凌駕するだけの差別化が困難な時代を迎えている」一方で、欧米企業の中には、「明確な企業理念に裏打ちされた自社独自の強みや技術、イメージをブランド・アイデンティティとしてデザインによって表現し、製品の価値を高め、世界的な市場拡大に結び付けている」企業が存在しているという事実があります。そして、そのような状況下で「我が国企業の国際競争力は一層低下するのではないかと危惧される」ことも背景に挙げられています。

研究会の具体的な論点には、下記が挙げられています。

  1. 製品同質化が進む中での製品・サービスの差別化の在り方
  2. デザインと産業競争力の関係
  3. デザイン・アイデンティティの必要性
  4. 我が国のデザイン力、デザインを取り巻く環境の国際比較
  5. 第四次産業革命とデザイン
  6. デザインによる我が国企業の競争力強化に向けた課題
  7. 意匠制度が果たす役割と国際比較
  8. 課題解決のための対応策

これらについては、制度ユーザーである企業等からのお話を伺うことも多く、この研究会によって「デザイン」が製品価値・企業価値の向上にどれだけ貢献するのか(あるいは、しないのか)が、より明確になることが期待されます。

また、論点には意匠制度の役割も挙げられていますが、意匠制度の存在意義は、進化したデザイン戦略に基づく事業をしっかり守れるか否かに掛かっていると言えます。創英の意匠部門も、お客様のデザイン戦略を理解した上で、他部門(特許・商標・法律)との協働を図りながら、しっかりとお客様のお手伝いをすべく、今後も、意匠出願戦略や意匠権活用についてのスキル向上を続けていきます。

【出典】経済産業庁「政策について > 審議会・研究会等 > 経済産業産業競争力とデザインを考える研究会

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。