「小売り」を「役務」と認めるための動向について

現在、「小売り」は「独立して商取引の目的とはならない」との理由で、日本では商標法上の「役務」として認められていないが、これを「役務」として認めるべく検討が行われている。かかる取り扱いは、「国際分類第9版」が改訂される2007年より行われる予定であるが、現在までの検討事項をまとめると、概ね、以下の方向に向かっているようである。

 まず、役務としての「小売り」は、「総合小売り」(例えば、「デパート」,「スーパーマーケット」等)のみを認める方向で、「単品小売り」(例えば、「眼鏡店」「おもちゃ店」等)については、この「小売り」概念には含まないこととする予定である。 したがって、眼鏡店が日本で権利を取得する場合には、商品「眼鏡」についての商標登録をする必要がある。 また、役務として認められる「小売り」概念の中には、「商品販売」が含まれない。 したがって、「総合小売り」を行う者が日本で権利取得を行う場合には、役務としての「小売り」業の他、販売する「商品」についても商標登録が必要となる。

ところで、この「小売り業」を「役務」として認める手段としては、(1)商標法第2条第1項第2号の「商標の定義規定」中に、「(小売りを含む。)」旨明記する等の法律改正を行う、あるいは、(2)「役務」概念に「小売り」が含まれるとの運用を行う、という2つの手段が考えられる。 仮に、(2)の方法を採用した場合には、法律上、サービスマーク導入時のような経過措置の規定を設けることができないこととなるであろう。しかしながら、既に「小売業」を営んでいる者の「標識」を適切に保護するためには、経過措置が法律上規定される重要性は大きいものと思われる。 したがって、私見としては、経過措置を規定することが可能な(1)の方法によるのが望ましいと考える。

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