のまネコは嫌われている!?

「のまネコ」というキャラクターをめぐって、一連の動きが起こっています。

 みなさんは、「恋のマイアヒ」という曲をご存知でしょうか?日本ではA社が発売している洋楽なのですが、最近大変人気で、よく耳にします。「恋のマイアヒ」は、モルドバ共和国出身の男性3人によるグループ「O-Zone」のヒット曲で、原題は「Dragostea Din Tei(菩提樹の下の恋)」。2003年にリリースされ、モルドバ共和国をはじめヨーロッパ各国でもヒットとなっていたようです。

 日本におけるこの曲には、かわいらしい(?)「のまネコ」というキャラクターがいます。しかし、実はこの「のまネコ」が、インターネット上の掲示板2ちゃんねるのアスキーアートの盗用ではないか、との指摘がなされているんです。

 ちなみに、アスキーアートとは、文字を組み合わせて作成した絵のことをいいます。

 (〃´ー`)=3 ←のような簡単な顔文字もその一種と言えるでしょう。

  「恋のマイアヒ」が日本で知られるようになったのは、ファンが作成したフラッシュのムービーがきっかけです。「Dragostea Din Tei」の歌詞を、何となくそのように聞こえる日本語(いわゆる空耳歌詞)に読み替え、2ちゃんねる等で使用されているアスキーアートのキャラクター「ギコ」「モナー」「モララー」「しぃ」に似ていると思われるキャラクターが、読み替えた歌詞の内容を演じているというムービーです。サビの部分では「飲ま飲まイェイ!」などという空耳歌詞が当てられています(かなり面白い!)。

  しかし、この「のまネコ」に対しては、2ちゃんねるをはじめとするインターネット上のコミュニティーにおいて、かなりの反発が起こっているようなのです。それには、この「のまネコ」をA社側が商標登録をするなどして、今まで自由に使えていたモナー等のアスキーアートが自由に使えなくなるのではないか、ということや、今までユーザーが共有してきたキャラクターを一企業がオリジナルキャラクターとして商品化(現在多数ののまネコグッズが販売されています)することに対して、どうも腑に落ちない、といったことがあるようです。

  これに対して、A社側も公式見解を発表するに至っています。A社側は、『「のまネコ」は、インターネット掲示板において親しまれてきた「モナー」等のアスキーアートにインスパイヤされて映像化され、当社とZ社が今回の商品化にあたって新たなオリジナリティを加えてキャラクター化したものですが、皆様において「モナー」等の既存のアスキーアート・キャラクターを使用されることを何ら制限するものではございません。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。』とコメント。両社では、一般ユーザーに対して「モナー」など既存のアスキーアートやキャラクターについて、使用を制限することはないとしているようです。

  この問題はまだ全然解決していませんので、あまり深く論じないでおこうと思いますが、私見としては、以下のようなことを考えています。

 まず、A社が「のまネコ」の商標権を取得したとしても、従来のようなインターネット上のコミュニティーにおけるアスキーアートの使用が商標的使用に当たるかということや、先使用による商標を使用する権利等を考えると、直ちにアスキーアートの使用が制限されることにはつながらないと思います(A社が商標登録出願をしているかどうかも不明です)。

 また逆に、アスキーアートである「モナー」が著作物として認められるか、という問題も考えなければなりませんが、「のまネコ」が「モナー」の二次的著作物に当たるとすると、その著作権の侵害ということも考えられるとは思います。

 ただ、著作権侵害の罪は、親告罪ですので、告訴なくして公訴を提起することはできません。告訴権者は被害者等の一定の者に限られていますので、「モナー」の著作権者(「モナー」の著作権者は誰だかわからないとのことです)ではない周りの第三者が処罰を求めることは難しいと考えられます。

  いずれにしても、今後の動向を見守りたいと思います。

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