激変する損害保険業界
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合併会社の社名について考えてみました。
昨今、損害保険会社の大型合併が相次ぎ、損害保険業界は合併後3メガ損保体制になろうとしています。今までは東京海上HDが保険料収入で業界首位の座を維持してきましたが、合併後は、ニッセイ同和・三井住友海上・あいおい損保の統合会社が保険料収入で業界首位に立ちます。上位3社で損害保険市場の全体の7~8割のシェアを占めることになり、そのように考えると一連の変化の大きさを感じさせられます。
さて、合併後の社名がどのようなものになるか非常に興味深いところです。これまでの国内社は社名に「△△火災海上保険」「○○海上火災保険」のように表記されていました。これは、取扱高の多い種目順(火災保険や海上保険)に並べているそうです。しかし、最近は「□□損害保険」や持ち株会社で「××ホールディングス」のような社名を採用する例も現れています。社会や環境の変化により、社名も少しずつ変化をしてきています。
金融機関の合併でよく目にするのは、旧会社の商標を一部ずつ取って、商標を作成する方法です。例えば、「△△火災海上保険」と「○○海上火災保険」で「△△○○火災保険会社」のような例です。旧社名の△△と○○には少なからず業務上の信用が化体しているため、その信用力を引き継ぐ点において有効な手段です。なぜなら、商標に化体した業務上の信用は社員の活動や多額の広告宣伝費等を投入して築き上げた会社の重要な財産だからです。また、新会社が旧会社の業務上の信用を引き継ぐためには、広告宣伝活動等により、新会社と旧会社の結び付きを需要者に知ってもらうことが必要となります。合併後の商標が旧会社の商標と全く異なる場合、そのコストはより大きなものになるのではないでしょうか。そして、商標を新しくした場合、その社名について商標登録をすることを忘れてはいけません。
これとは別に、企業風土の一新を図り新たなスタートを切るという観点からすると、旧会社の商標とは全く関係のない商標を採択する方法も有効な選択です。但し、この場合でも商標登録ができる商標を採択しなければならないという点に注意が必要です。すなわち、他社の先願商標と類似している商標や、著名な地理的名称と「株式会社」等を結合して識別性がないと考えられる商標は登録を受けることができません。
では、これらの商標が登録を受けることができないのであれば、「日本生命保険相互会社」も登録を受けられないのではないか?といいたいところですが、「普通に採択されうる名称である場合でも、他に同一のものが現存しないと認められるときは、」商標法3条1項4号に該当しない(登録の拒絶理由とはならない)としています(商標審査基準)。但し、これは例外で会社の営業努力と歴史の所産ともいえるものです。新規に会社を発足させ業務上の信用がこれから化体する状況においては、著名な地理的名称のように誰もが使いたがるような商標を採択するのは現実的に難しいと考えられます。
昭和の時代が終わり、初めて「平成」の年号が使われたとき、「ヘイセイ」ってなんか言いずらい・・・と思ってましたが今ではすっかり「ヘイセイ」に馴染んでいます。きっと新会社の社名も「ヘイセイ」と同じなのでしょう。

