地域団体商標制度の実際
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地域団体商標制度がスタートして約10ヶ月が経過しました。登録例も出始めましたので、実際に地域団体商標を出願しての感想をまとめてみました。
「地域団体商標」とは、 地域ブランドの保護を目的に平成18年4月にスタートした制度です。その特徴は、従来、保護を受けにくかった「地域名称」 +「普通名称」の組み合わせから成る商標について、一定要件の下に保護を認めようとするものです。
特許庁のホームページにも 「地域団体商標制度の部屋」が設けられているように、地域経済発展の起爆剤として官民挙げての取り組みが図られています。 平成18年12月末日での出願件数が648件にのぼり、 平成19年1月30日時点で合計128件が登録査定となっています。
実際に商標登録出願をしてみると、 登録までに地域団体商標ならではの苦労があることが分かります。
一つ目のハードルは出願人の主体要件です。 地域団体商標の登録を受けることができる者は、「事業協同組合その他の特別の法律により設立された組合」(具体的には、 農業協同組合や事業協同組合等)に限られますが、お問い合わせの中には、法人格を有さない任意団体の方からといったものがあります。 残念ながら、こうした方は出願人適格を満たしません。
二つ目のハードルは、 登録を受けようとする商標に周知性が求められる点です。この周知性は隣接都道府県に及ぶ程度で十分とはされていますが、 これを立証する作業は思っているほど簡単ではありません。通常の商標登録出願について、3条2項(使用による特別顕著性) を活用する場合と大きく異なる点は、出願人において準備できる資料に限界があるということです。 売上額や流通ルートなどは個々の団体構成員が把握しており、組合等の出願人としての数値を集計・公表することが困難な場合があります。 この点、周知性の立証に大きな役割を果たすのが、地方公共団体のバックアップです。県の特産品として認定されており、 全国の特産品展に数多くの出品歴があるといった事情や、地方自治体のウェブサイトに伝統工芸品として紹介されているような場合は、 周知性認定において有利な証拠として参酌されるようです。
指定商品(役務)の記載については、 「産地」をかなり具体的なレベルで明記するよう求められるケースが多いようです。「○○県産の××」ではなく、 「○○県△△市産の××」のような、「市」や「区」レベルまで明記する必要があります。
制度導入から10ヶ月が経過し、出願件数は一段落するものと思いますが、今後、 この制度を活用される方は、周知性を立証するための事前準備をしておくといいでしょう。宣伝広告・ 雑誌や新聞で紹介記事はこまめに保存しておくこと、また、地方公共団体と上手く連携することも大切です。特に紹介記事には、 商標だけでなく、その使用者=出願人についても簡単に触れてもらうように心がけると、後日、 周知性立証の資料としての価値が高まると思います。
以上

