10月の月報(ケロ太)
- «Previous:
- 10月の月報(化好)
- »Next:
- 10月の週報(項作)
ケロ太(けろた):30歳
お客様から、2日後に社外の展示会で発表する発明について特許出願がしたいので、何とかできないか?との依頼が来ました。私は、新規性喪失の例外規定の適用は受けられないのかと問い合わせると、それはできないとのこと。明細書作成用の資料を頂いたのが、今日の夜遅くで、実質的に明細書作成に1日間弱しかかけられません。どうしたら良いのでしょうか?とても新人の自分の実力ではこなすことは出来ない仕事なので、他の先輩方に頼むか、あるいはお客様のご依頼を丁重にお断りすることも考えてしまったのですが…。
先輩
う~ん。先月とても頑張ってくれたので、かなり感心していたのですが、そんなことを言っているようでは、君もまだまだですね。確かに、こういった状況でお客様からご依頼を受けることは、新人であれベテランであれ、厳しいことには変わりがないのですが、この仕事ではお客様のやむを得ない事情等で、このような極めて出願期日が近くなってしまうケースもあり得ます。そういった状況でも、可能な限りお客様のニーズに応えるようにしなければ、プロとは言えません。
さて、具体的な対処法ですが、短い時間でも、それ相応のレベルの出願書類を作成することが望ましいことは確かです。しかしながら、もし、それが難しいのであれば、最終的な手段となりますが、現在、お客様から提供された技術的事項の全てを、とにかく出願書類の体をなす程度にまとめ、その内容でとり合えず出願するという手法も考えられます。
例えば、今回のケースですと、展示会発表の資料に書かれた技術事項の全てを明細書、図面に含む形に整え、特許請求の範囲は独立項を発明のポイントを抑える程度に記載し、細かい文言や従属項等の検討は時間が許す範囲で切上げます。そして、とり合えずその内容で展示会前に出願し、展示会発表前の出願日を確保しておいてから、後で国内優先権制度を用いて、後の審査に耐え得る出願書類とするのです。このような手法であれば、お客様から頂いた資料をコピーし、整理して、多少加筆するだけで済み、数時間程度でとり合えず出願可能な出願書類は作成可能な筈です。
このように、厳しい状況でも工夫次第で可能な対処法はあるものです。そして、このような厳しい状況に対しても善処することができれば、お客様からの信頼は絶大なものとなります。まさしく、「ピンチはチャンス」なのです。今回は確かに期日的に厳しいので、私が中心に仕事を進めますが、君も以上のことを踏まえて頑張って下さい。


