シンガポール審査請求制度について その3(最終回)

2回にわたり、パリ出願・PCT出願におけるシンガポール審査請求制度について取り上げました。他国と比較しても、シンガポールの審査請求制度は選択肢が多い故、どのRouteを選択するかの判断はcase by caseと言えるようです。
第3回目はまとめとして、各Routeのメリット・デメリットの概要をご説明致します。

パリルート
【Route 1】 IPOSから特定機関*2へ調査依頼し、その後審査依頼
→ISRを入手できない場合・審査すべきクレームがある場合
△メリット:・審査請求する前にサーチの結果をレビューできる。
・補正の機会がある。
▼デメリット:・費用がもっとも高い。

【Route 2】 IPOSから特定機関へ同時に調査/審査依頼
→ISR・IPRPを入手できない場合・審査すべきクレームがある場合
△メリット:・補正の機会がある。
・【Route 1】より費用が抑えられる。
▼デメリット:・サーチの結果をレビューできない。
・【Route 1】の次に費用が高い。

【Route 3】 対応国*3の調査報告に基づき、IPOSから特定機関へ審査依頼
→ISRの入手は可能だがIPRPを入手できない、あるいは入手できるが否定的見解の場合
△メリット:・サーチ請求の庁費用が掛からない。
・補正の機会がある。
▼デメリット:・補正範囲が限られる。

【Route 4】 調査/審査ともに対応国の結果に委託
→対応国の審査結果がでている場合・IPRPの入手が可能且つ肯定的見解の場合
△メリット:・サーチ、審査請求の庁費用が掛からない。
・特許取得の手続きがシンプル。
▼デメリット:・対応国で拒絶の結果がでている場合このRouteを選択する優位性は見当たらない。
・IPRPで否定的な見解が示されている場合、このRouteを選択する優位性は見当たらない。

PCTルート
【Route 1】 IPOSから特定機関へ調査依頼し、その後審査依頼
→ISRを入手できない場合・審査すべきクレームがある場合
△メリット:・補正の機会がある。
▼デメリット:・費用が高い。

【Route 2】 対応国の調査報告に基づき、IPOSから特定機関へ審査依頼
→ISRは入手できるがIPRPが入手できない場合もしくは否定的見解の場合
△メリット:・補正の機会がある。
・【Route 1】より費用が抑えられる。
▼デメリット:・補正範囲が限られる。

【Route 3】 対応国の登録または調査・審査結果の提出
→対応国の登録または調査・審査結果が入手できる場合
△メリット:・サーチ・審査請求の庁費用が掛からない。
・特許取得の手続きがシンプル。
▼デメリット:・対応国で拒絶の結果がでている場合、このRouteを選択する優位性は見当たらない。

【Route 4】 国際予備報告(IPRP)の提出
→IPRPが入手可能且つ肯定的見解の場合
△メリット:・サーチ、審査請求の庁費用が掛からない。
・特許取得の手続きがシンプル。
▼デメリット:・IPRPで否定的な見解が示されている場合、このRouteを選択する優位性は見当たらない。

 

シンガポール特許庁
*2シンガポールは独自の審査機関を持っていないため、オーストリア・オーストラリア・デンマークの特許庁へ業務を委託しています
*3対応国とは、現時点ではアメリカ・EP・オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・イギリス・日本・韓国です(ただし、韓国は優先日が2006年6月2日以降の案件に限ります)。

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