マドリッド協定議定書による国際出願について
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今回は、商標権取得のためのマドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)による国際出願について説明します。
【マドプロ出願とは?】
マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)とは、商標に関する国際条約で、国際登録出願という手続きにより、締約国内での出願(または登録)と同一内容について他の締約国等への保護を拡張することができます。
商標の国際的な登録制度としては、1891年4月に制定されたマドリッド協定があり、未加盟国から、使用言語、審査期間、本国登録の従属性などその締結を困難にさせる問題点があることが指摘されていました。
マドリッド協定議定書は、このような問題点を克服し、より多くの国が参加できるような商標の国際登録制度を確立することを目的に、マドリッド協定とは独立した条約として、1989年6月に採択されたものです。
マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)によれば、保護の拡張を請求する地域(各指定国)が、一定期間内に保護を拒絶する旨の通知(暫定拒絶)をしなければ、国際登録の日にその指定国に直接出願・登録したものと同一の効果が生じることになります。
【マドプロ出願のメリット】
- 手続きの簡素化
複数国で権利を取得したい場合、本国官庁(日本国特許庁)に1通の出願書類を提出することにより、複数国に同日に出願した場合と同等の権利を有する。
また、複数国分の出願手数料の支払いも、国際事務局に一括して支払うことで完了する。 - 容易な書類作成
言語が異なる国に対しても出願等の手続書類は所定の様式に基づき英語、仏語・スペイン語(日本国は英語のみ)で行ない、各国言語への翻訳は必要ないため、国毎の指定商品(役務)の把握が容易になる。 - 権利管理の簡便化
国際事務局における国際登録簿により権利関係は一元管理されている。よって、各国毎存続期間の更新や所有権の移転、名称変更申請等の手続きを行なう必要はない。 - 経費の軽減
各国別に直接出願する場合、各国が求める態様の出願書類の作成が必要なため、各国の代理人の報酬や翻訳等の費用が必要となる。しかし、マドプロ出願は、拒絶理由が発見されずに登録になる場合は各国の代理人の選任は不要なため、代理人費用は発生しない。指定国で拒絶理由が発見され、その国で再審査等を行なう場合のみ、その国の代理人の選任は必要となり費用が発生する。 - 迅速な審査(拒絶通報期間の制限)
指定国官庁が拒絶理由を発見した場合の国際事務局への通報期間を1年(又は18ヶ月)以内に制限している。 - 締約国の事後指定による保護の拡張
事後指定の手続きにより、出願時に指定しなかった締約国はもとより、出願後に新たに加盟した締約国についても保護の拡張を求めることができる。
また、出願時に特定の国に対し商品(役務)を限定的に指定した場合でも、国際登録の範囲内であれば指定しなかった商品(役務)を追加することができる。
【マドプロ出願のデメリット】
- 基礎出願・基礎登録の存在が必要
マドプロ出願は、基礎出願・基礎登録と同一であることを要し、しかもその同一性は厳格に要求される。また、指定商品(役務)は基礎の指定商品の範囲内であることが必要で、基礎出願・基礎登録の指定商品の拡大を図りたいときには活用できない。 - 基礎出願・基礎登録への従属性
国際登録がされてから5年以内に、本国の基礎出願・基礎登録の一部または全部について出願が拒絶され、または登録が取り消されると、国際登録も同様に一部または全部について取り消される(セントラルアタック)。
しかし、この場合、国内出願への変更が認められている。
<参考文献>
・平成20年度 マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)に基づく国際商標出願 手続集
・図解 マドリッドプロトコル 荒木好文 著

