外国特許の法制度 ~流れや概要~ 【米国の特許制度と出願方法について】
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外国出願の際は各国ごとに制度が異なるため出願方法もさまざまです。今回は米国の特許制度の特徴と米国での出願方法について説明します。
【先発明主義】
特許を出願する際、出願日の確定の基準は下記の種類があります。
「先願主義」:先に出願した者に特許権を与える制度
「先発明主義」:先に発明した者に特許権を与える制度
世界で唯一米国のみが「先発明主義」をとっているために米国特許には特徴的な制度があります。
【出願人の基準】
先願主義を採用する国では各国特許庁に対し「特許を受ける」という意識がありますが、先発明主義を採用する米国では「発明者だけが特許にできる」という意識があります。そのため米国特許においてのみ発明した者が出願人となるのもそのためです。
【米国における出願日】
米国に特許を出願した場合出願日は「米国に実際に出願した日付、又は国際出願日」が採用されます。
【仮出願(Provisional Application)】
低額で早期な出願を可能にすることを目的として1995年に創設された制度です。
仮出願の特徴は・・・
①お手軽に出願日を確保できる
正式なクレーム、宣誓書・宣言書、発明の背景、発明の要約、先行技術説明書が不要なほか、図面も手書き、英語以外の言語での出願で許可されているにも関わらず、パリ条約における外国出願で優先権主張することができ、パリ条約上の独立した正規出願として認められています。また、仮出願は102(e)の期日を確定でき、かつ、特許出願料金が低価格($160)であることも魅力のひとつです。
②実質的な特許存続期間は21年
仮出願の出願日から12ヶ月以内に、対応する本出願(Non-Provisional Application)を新たに行い、かつ、その本出願において仮出願による優先権主張をする必要があります。基礎出願を優先権主張しているため、本出願に特許が付与されれば特許存続期間は仮出願の出願日から起算されるため実質的に特許期間が最長12ヶ月も延びることになるのです。
【グレースピリオド】
日本出願においても「新規性喪失の例外」という制度があり、発明を公開した日から6ヶ月以内に特許出願を行うことできますが、グレースピリオドとは米国特有の制度で、発明の公表から特許出願するまでに認められている猶予期間内(1年)に特許出願を行うことが可能な制度です。つまり、公表等から1年以内なら新規性を喪失しない、ということです。猶予期間を1年としているのは、アメリカは優先権を伴っていたとしても、特許性判断の基準日が「米国出願の日」のためです。アメリカ以外の大概の国は優先日を基準に1年以内、と
いう判断を行いますが、パリ条約に違反しないよう1年としています。
これらを踏まえると米国に出願する際には色々な方法があります。
メリット・デメリットもありますが、それらを考慮して出願すれば米国での特許権利化の可能性が開けてくるということです。出願方法の例を挙げて説明します。
◇グレースピリオドまでに出願したいが原稿が間に合わなかったら?
仮出願がおすすめです。
仮出願は書式や言語も問わないにも関わらず優先権の基礎になりうるので、今後の権利化のために新規性や進歩性の判断基準を考えても仮出願のメリットがあります。
仮出願の制度の効果については日本国内でも議論され、2011年までに日本でも導入される予定もあるということです。
米国の特許制度の利点を考えると、さまざまな組合せの出願ができ、早期権利化も可能となると思います。

