外国特許の法制度 ~流れや概要~ 【米国の庁指令について】
米国のオフィスアクションについてご説明致します。
【応答のタイミング】
原則、出願人は、オフィスアクションの発行から、SSP(Shortened Statutory Period)以内に応答しなくてはいけません。このSSPが何カ月であるかは、米国特許庁が発行するOffice Action SummaryのPeriod for Replyの欄に書かれています。
SSP以内に応答できない場合は、期間を延長することができますが、何カ月延長できるかは、庁指令によって異なります。
【選択/限定要求(Restriction Requirement)】
選択/限定要求とは、1つの出願中に2以上の独立した区別可能な発明が含まれている場合に、クレームを限定するように要求される庁指令のことをいいます。
選択要求の応答期間の場合、SSPは1カ月に設定されることが多いようです。この応答期間は、1カ月ごと、最大で発行日から6カ月まで延長することができます。期限を延長する為に特許庁へ提出しなければならない書類はなく、延長可能期間内であれば、期限は自動的に延長されることになります。ただし、期限を延長して当指令に応答する場合は、応答書類提出の際に定められた延長料金を支払わなければなりません。
ちなみに、このとき選択しなかったクレームは審査されない為、権利化を望む場合は分割出願を行う必要があります。
【オフィスアクション(First or non final office action)】
審査官による審査の結果、拒絶すべき出願と判断された場合に発行される庁指令のことをいいます。庁から発行されるOffice Action SummaryのStatus欄の□This action is non-finalにチェックが入っています。 SSPは発行日から3カ月に設定されることが多く、延長可能期間は発行日から6カ月となります。
【ファイナル・オフィスアクション(Final office action)】
オフィスアクションと同じ拒絶理由、出願人の補正による新たな拒絶理由をもとに発行される庁指令のことです。庁から発行されるOffice Action SummaryのStatusの欄の□This action is finalにチェックが入っています。SSPはオフィスアクションと同様、発行日から3カ月に設定されることが多く、延長可能期間は発行日から6カ月となります。
【アドバイザリーアクション( Advisory action)】
ファイナル・オフィスアクションに対する応答では許可されなかったときに発行される指令のことです。応答期限はファイナル・オフィスアクションの庁発送日から3カ月以内、延長可能期間はファイナル・オフィスアクション発行日から6カ月となります。アドバイザリーアクションに対しては、継続審査請求(RCE)や審判請求を行うことができます。
ファイナル・オフィスアクションに対して発行日から2カ月以内に応答した場合、審査官は応答日から1カ月以内にアドバイザリーアクションを発行しなければなりません。
なお、ファイナル・オフィスアクションの発行日から6カ月を過ぎて応答する場合は、審査官ではなく審判官に「この出願に対して、費用を支払って対応するつもりがある」という意思を事前に伝える必要があります。これが「仮の審判請
求」(「審判請求」を、期限延長という別の目的で利用しているので「仮の」という)という手続です。ファイナル・オフィスアクション発行日から6カ月を過ぎたとしても、審判請求を行っていれば、出願が継続していることになります。この場合、審判請求の提出から2カ月以内に、審判請求の理由を書いた書面(アピールブリーフ)を提出しなくてはなりません。アピールブリーフの提出期限は5ヶ月延長することができます。
このように、出願が生きている状態であれば、アピールブリーフを提出して審判官に審査してもらうこともできますし、継続審査請求や分割・継続出願を行って、応答可能な状態に戻すこともできます。
【クワイル・アクション(ex parte quayle action)】
審査官の一方的疑問に対して発行される拒絶理由通知のことです。審査官が発明の特許性を認めるものの、図面やクレーム等の記載不備を指摘するときに発行されます。応答期間は発行日から2カ月で、さらに4カ月の延長が可能です。
なお、同アクションに対しては指摘されている部分以外の補正は認められず、新たなクレームの追加もできません。
