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[特許/シンガポール]審査請求の期限延長申請庁費用が免除となるパイロット・イニシアティブ

2024年8月19日、シンガポール特許庁(Intellectual Property Office of Singapore)は、調査・審査請求に関するパイロット・イニシアティブを公表した。

2020年1月1日にいわゆる外国ルートが廃止されたため(既報を参照)、シンガポールの審査は現状以下の3つのルートであり、審査請求期限は優先日から36月である。

審査請求期限は最大18月の延長申請が認められているが、従来、審査請求期限に関する延長申請をする場合には1月あたり200シンガポールドル(2024年9月3日のレートで、約22,464円)を納付する必要があった。

今回のパイロット・イニシアティブによれば、審査請求期限が2024年9月1日から2026年8月31日の間である出願を対象として、18月の延長申請の庁費用が免除される(無料となる)。なお、当該期間内に審査請求期限を有する出願であって、既に18月未満の延長申請がされているものについては、最大18月を限度として更なる延長申請を庁費用無しで行うことができる。

さらに、現地代理人によれば、上述の庁費用を要する従来の延長申請と今回のパイロット・イニシアティブは並存するのではなく、置き換わるとのことであった。つまり、当該期間内に審査請求期限を有する出願であって、従来の延長申請を想定した18月未満の延長申請を希望する場合であったとしても庁費用の納付は要しないとのことであった。

今回のパイロット・イニシアティブは、例えば、対応する外国出願の結果が出ていない場合や、対応する外国出願の結果等を考慮した上で、シンガポールにおける特許出願の調査・審査を進めるか否か、及びどのように進めるかといった検討に時間をかけたい出願人にとっては、コスト削減につながると考えられる。

[出典]
シンガポール特許庁「Pilot Initiative – No Extension of Time Fee to File a Request for a Search and/or Examination Report (Circular No. 4/2024, dated 19 August 2024)
弊所サイト「[特許/シンガポール]特許審査における外国ルートの廃止
シンガポール特許庁「Patents Act (CHAPTER 221, Sections 42, 110 and 115) Patents Rules
シンガポール特許庁「Forms & Fees

[参考]
新興国等知財情報データバンク「日本とシンガポールにおける特許審査請求期限の比較

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