欧州特許庁(EPO)の審判部(Boards of Appeal)を欧州特許条約(EPC)の枠組み内で刷新することについて、欧州特許機構の管理理事会は2016年7月に合意に至っていたが、2017年3月までにその詳細が公表された(注:EPC上、EPOは欧州特許機構の一機関の位置付け)。

今回の刷新は、審判部の独立性に関する認知を高め、また効率性を高めることを趣旨としており、現在の審判部は「審判部ユニット(Boards of Appeal Unit)」として再編された。これに伴い、EPO長官ではなく、管理理事会に対して責任を負う新たな役職として「President of the Boards of Appeal」が設けられ、当該役職にはCarl Josefsson氏が就任した。

また、審判部ユニットのオフィスは、ドイツ・ミュンヘンのIsar庁舎からミュンヘン郊外のHaarにあるビルへ2017年夏に移転する予定となっている。なお、Haarは、Isar庁舎からは車で30分ほど東に離れた場所に位置している。

***追記(2017年8月2日)***
2017年7月5日付けの更新で、移転先での業務開始は10月2日を予定していることが発表された。発表では、庁舎の住所及び周辺地図のほかに、Isar庁舎、ミュンヘン中心部及びミュンヘン空港からの移動に関する説明も示されている。

***追記(2019年3月20日)***
T0831/17の審決で拡大審判部に付託された質問(下記参照(ドイツ語))のうち質問3(太字)は、移転後の審判部の設置場所に関するものとなっている(事件番号G2/19)。

1. Ist im Beschwerdeverfahren das Recht auf Durchführung einer mündlichen Verhandlung gemäß Artikel 116 EPÜ eingeschränkt, wenn die Beschwerde auf den ersten Blick unzulässig ist?

2. Wenn die Antwort auf Frage 1 ja ist, ist eine Beschwerde gegen den Patenterteilungsbeschluss in diesem Sinne auf den ersten Blick unzulässig, die ein Dritter im Sinne von Artikel 115 EPÜ eingelegt und damit gerechtfertigt hat, dass im Rahmen des EPÜ kein alternativer Rechtsbehelf gegen eine Entscheidung der Prüfungsabteilung gegeben ist, seine Einwendungen betreffend die angebliche Verletzung von Artikel 84 EPÜ nicht zu berücksichtigen?

3. Wenn die Antwort auf eine der ersten beiden Fragen nein ist, kann die Kammer ohne Verletzung von Artikel 116 EPÜ die mündliche Verhandlung in Haar durchführen, wenn die Beschwerdeführerin diesen Standort als nicht EPÜ-konform gerügt und eine Verlegung der Verhandlung nach München beantragt hat?

【出典】
いずれも欧州特許庁
Boards of appeal
Greater independence and improved efficiency for the EPO′s Boards of Appeal
Carl Josefsson appointed President of the EPO′s Boards of Appeal
New location for the Boards of Appeal
Referrals pending before the Enlarged Board of Appeal

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