「特許法の一部を改正する法律案」及び「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律の一部を改正する法律案」が韓国国会の本会議を2018年12月7日に通過し、2019年7月9日に施行される。両法律案には懲罰的損害賠償の導入等が含まれており、改正の概要は下記のとおりとなっている。

特許法

懲罰的損害賠償の導入
特許権または専用実施権の侵害行為が故意と認められた場合、損害として認定された額の3倍を超えない範囲で賠償額を定めることができるようにする。

「実施料相当額」に関する規定の改正
特許権侵害による損害賠償請求及び出願公開後の補償金請求の規定における実施料相当額に関する文言を「通常受けることができる額」から「合理的に受けることができる額」に変更する。

具体的行為態様の提示義務の新設
特許権侵害訴訟において、特許権者が主張する侵害行為の具体的な行為態様を否認する当事者は、自らの具体的な行為態様の提示を求めることとする。

不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律

営業秘密の要件緩和
合理的な努力がなくても秘密として管理されれば営業秘密として認める。

懲罰的損害賠償の導入
営業秘密の侵害行為が故意と認められた場合、損害として認定された額の3倍を超えない範囲で賠償額を定めることができるようにする。

営業秘密の侵害行為等に対する罰則の強化

営業秘密侵害行為の罪を犯す目的で予備又は陰謀をした者に対する罰金の引き上げ

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韓国では、2018年6月13日に施行された「国際裁判部の設置及び運営に関する規則」により、韓国語以外の外国語での弁論及び証拠の提出を認める「国際裁判部」が特許法院等に設置され、運用が開始されている。また、不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律については、アイデア奪取行為に対する保護及びトレードドレスに関する保護の明文化を目的とする改正が2018年7月18日に施行されている。このように、知的財産を積極的に保護する施策が続いており、今後の変化が注目される。

【出典】
(1)日本貿易振興機構(ジェトロ)「韓国 〉知的財産に関する情報 〉知財関連法律改正の動き特許法一部改正法律
(2)日本貿易振興機構(ジェトロ)「韓国 〉知的財産に関する情報 〉知財関連法律改正の動き不正競争防止及び営業秘密保護に関する一部改正法律
(3)日本貿易振興機構(ジェトロ)「韓国 〉知的財産に関する情報 〉ジェトロ寄稿記事(The Daily NNA【韓国版】より)国際裁判部制度の導入と展望
(4)日本貿易振興機構(ジェトロ)「韓国 〉知的財産に関する情報 〉お知らせ「国際裁判部の設置及び運営に関する規則」の仮訳を掲載しました
(5)日本貿易振興機構(ジェトロ)「韓国 〉知的財産に関する情報 〉ジェトロ寄稿記事(The Daily NNA【韓国版】より)アイディア奪取行為などの防止のための不正競争防止法の改正

【参考】
日本貿易振興機構(ジェトロ)「韓国・知的財産ニュース:特許庁、懲罰的損害賠償制度7月9日から施行

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***更新情報(2019年7月11日)***
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※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。